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今月(10月1日~10月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 文豪どうかしてる逸話集

    進士素丸

    偉大な文豪たちの意外な素顔に、爆笑必至!
    2025年10月5日
    真面目で格調高いイメージの文豪たちの、そのイメージをぶち壊すびっくりエピソードに大笑いしながら読みました。著者の「現場からは以上です」や「谷崎、おまえ…」などの一言も楽しい(笑)。この作品は、自宅で読むのを強くお勧めします。でないとニヤニヤ笑いが止まらなくて、不審者に見られちゃう(笑)。
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  • スティーブ・ジョブズ

    ウォルター・アイザックソン/井口耕二

    ジョブズ自身が全面協力した唯一の自伝
    2025年9月14日
    スティーブ・ジョブズの自伝は数あれど、ジョブズ自身の全面協力で書かれたものは本書だけだそうです。なので、本人提供のプライベートでの写真やエピソードも多く、とても楽しめました。ジョブズ本人や家族だけでなく、彼を取り巻く(あるいは取り巻いていた)数多くの人々からのさまざまな証言から多角的に描き出される「素」のジョブズは、実に難解で複雑な人格の持ち主です。時には並外れた天才。またある時には理解不能な奇人。側で見ているには面白いけど、これが同僚や上司では辛くてやり難いし、恋人や夫や父親だと耐え難い時もあるでしょう(特に娘のリサに対する、気まぐれかつ身勝手な愛情の示し方は、本当に理解に苦しみます)。この伝記は、そんなジョブズの全てをさらけ出しています。読み終わった後は、「カリスマ的変革者」ジョブズのイメージが大きく変わること、間違いなし!
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  • レディ・コンパニオン

    辻村弘子

    ザ・バブル(笑)!
    2025年8月19日
    何もかもがバブル期を思い出させて、懐かしい気持ちになりました。当時は、若くてかわいい女の子にはコンパニオンという選択肢があったし、コンパニオンを何人も雇うような展示会や新作発表会などがいくらでもありました。不景気が続く今では信じられないほど、景気も気前も良かった。そんな時代もあったのね…と懐かしみたい方におすすめ!
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  • 火遊び

    辻村弘子

    大切な存在は、失って/失いかけて気づく
    2025年8月13日
    不倫をテーマにした短編集です。ドロドロした感じはなく、さらりと読めます。遊びの恋は、終えてから帰れる居場所があればこそ楽しめるもの…ですね。
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  • 潮騒《ラ・マーレ》の家

    辻村弘子

    昭和を懐かしみたい方に
    2025年8月12日
    絵もストーリーも、いかにも昭和の少女漫画って感じで懐かしい♡昭和に青春時代を過ごしたアラフィフ・アラカンの方々におすすめします。
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  • 夜ノ蝶ハ怪シク談ル

    伊藤和良

    この怖さ、この面白さ。クセになる。
    2025年8月11日
    各話のオチがどれもゾワゾワ来る怖さで、その怖さがクセになる面白さ。さまざまな切り口で、日常の中に潜む恐怖を見せてくるのが堪らない。大智の妄想の暴走(笑)がどこに行き着くのかも含めて、今後の展開が楽しみです。それにしても…結局、一番怖いのは「生きている人」なのかもしれませんね。
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  • ちゃん

    山本周五郎/古典名作文庫編集部

    これだから、読むのをやめられない。
    ネタバレ
    2025年8月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 世間の流行りに迎合できない火鉢職人の重吉。そんな不器用な生き方しかできない重吉を理解し、支える妻のお直と子どもたち。懸命に生きる江戸の下町の人々の暮らしぶりを、丁寧に、時にはユーモアも交えて描き出した短編です。おのれの不甲斐なさに「押し込みでも泥棒でもやってやる」と自棄になった矢先に、酒の勢いでたまたま知り合った男を自宅に連れ帰ったら、その男がまさかの泥棒だし(笑)。手拭いでほっかむりをして泥棒しに行こうとする重吉。全てお見通しでそれを止めるお直。「ちゃんが出て行くなら一緒に行く」と声を揃える子どもたち。夫婦の、そして親子の、互いを思いやる温かさが、じんわりとこちらの心まで温かくしてくれます。山本周五郎の作品は、どうしてこんなにも胸を打つのだろう…これだから読むのをやめられない。
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  • タッチ 完全復刻版

    あだち充

    あだち先生の代表作品。名作です。
    ネタバレ
    2025年8月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 達也と和也、そして南ちゃんの青春物語。懐かしいなぁ。アニメも見てました(笑)。セリフに頼らず、キャラクターのちょっとした仕草や表情に語らせるのが、あだち先生は本当に上手いですよね。メインの3人以外の脇キャラもそれぞれに魅力的で、今でも忘れられない名セリフ「舞台に上がれよ、上杉」とか「夏は好きなんですよ」とか、くぅ〜泣ける!最後は「えっ?これで終わり?」というあっけなさでしたが、青春漫画であってスポ根漫画ではありませんからね。とにもかくにも、間違いなくあだち充先生の代表作ですね。ずっと読まれ続けてほしい名作です。
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  • 影武者徳川家康

    隆慶一郎

    日本一有名な戦国武将のIfの物語
    2025年8月5日
    日本一有名な戦国武将✖️影武者とくれば、面白くないわけがない!この作品は図書館で偶然タイトルを見て知ったのですが、期待通りの面白さ!最後までワクワクしながら読みました。「家康が影武者と入れ替わっていた」という設定は、作者の完全な創作ではなく、それなりの根拠があってのこと。ひと味違う歴史小説を楽しみたい方におすすめです!
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  • 監察医朝顔

    香川まさひと/木村直巳/佐藤喜宣

    死者は時に生者よりも多くを語る
    2025年8月5日
    全巻無料の時に読みました。絵にはちょっと古さを感じますが、ストーリーが面白くてぐいぐい引き込まれていきます。遺体は検死解剖によって、時に雄弁に語り、教えてくれる。それにより見えてくるさまざまなドラマに心打たれることもあれば、人間の身勝手さに考えさせられることもある。思っていたよりも、ずっと深い作品でした。ヒューマンドラマがお好きな方におすすめです。
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  • 聖書

    ジョージ秋山

    旧約・新約、両方を分かりやすく
    2025年7月31日
    聖書に登場する人物がスーツを着て車を乗り回すなど、秋山先生独特のアレンジに面食らうこともありましたが、やっぱり漫画で読むのは分かりやすい!聖書に興味はあるけど、活字で読むのはちょっと面倒…という方におすすめします。
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  • やどかり~弁護士・志摩律子の事件簿~

    篠原とおる

    昭和を感じさせる作品
    2025年7月28日
    一話完結で読みやすいのですが、内容は一話できちんと完結していないものが結構あって、ちょっとモヤモヤ。最終話の終わり方も、唐突すぎ。タイトルを何故「やどかり」にしたのか、正直なところよく分かりません。かなり昔の作品なので、絵の雰囲気とか価値観とか、さすがにいろいろ古いのは仕方ないですね。昭和を懐かしみたい方には良いかもしれません。
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  • 海と毒薬(新潮文庫)

    遠藤周作

    続編「悲しみの歌」と併せて読んでほしい
    2025年7月27日
    かつて九州大学医学部で行われた、アメリカ人捕虜の生体解剖事件を題材にした作品。軍部の思惑や医学部内の権力争い、そして「自分を押し流す運命のようなもの」に流されるまま、生体解剖に関わった人々。そしてその「取り返しのつかなさ」に気づいた時にはもう遅いのだ…。この作品の存在を初めて知った10代の頃から、このタイトルの意味を折に触れては考えている。海に垂らした毒が、どんなに薄まってもその存在を無いものにはできないように、どんなに長い時が経過しても過去の罪は(風化はしても)消えないということだろうか。「海と毒薬」とは、「時の経過と、過去に犯した罪」と同じ意味なのかもしれない。この事件のその後を描いた続編「悲しみの歌」を読んでから、特にそう思えてならない。
  • オークション・ハウス

    小池一夫/叶精作

    いろいろツッコミどころが多すぎて…(笑)
    ネタバレ
    2025年7月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「じゃア」のアとか「ユミさン」のンとかが気になってしょうがない(笑)。また、細かい設定ミスがちょこちょこあって、どこからつっこめば良いのやら。ハンス・ファン・メーヘレンの息子ならアダムス・「ファン」・メーヘレンのはずなんですけどね(「ファン」も苗字の一部)。リュウがカトリックの司祭のフリをしていた時の服装は、ユダヤ教徒のそれ(特に特徴的な帽子の形)だし。リュウの復讐が果たせたのは良いけど、そこから先は何のために話を続けているのか、何を描きたいのか迷走して意味不明。絵画やオークションについての蘊蓄は楽しめました。
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  • スローダンスは華やかに

    辻村弘子

    懐かしさを感じる作品
    ネタバレ
    2025年7月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「自分の親を事故で死なせた加害者を、そうとは知らずに好きになる」という筋が、大和和紀さんの「菩提樹」にちょっと似てるかも。昭和の作品なので、今読むとさすがに古さを感じる部分はあります。互いに相手への葛藤を乗り越えてハッピーエンドで終わるので、良かった良かった。
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  • 吉祥天女

    吉田秋生

    切なく、苦しく、そして哀しい…
    ネタバレ
    2025年7月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 人並みはずれて美しく生まれついたが故に、男たちを破滅させずにはおかない小夜子の背負う業。そして小夜子を今の小夜子にした過去の体験の数々を思うと、何ともやりきれない気持ちにさせられます。冒頭で降りしきる雨の中、屋上に立って雨を眺めていた時。久子の服についていた毛虫を野に放しながら「お前がこんな姿に生まれついたのは お前のせいじゃあないものね」と呟いた時。小夜子が何を思っていたのか考えると、切ない。哀しい。最後、涼とテレパシーのように最期の会話を交わした後に彼女が流した涙は、きっと「男」のために彼女が流した最初で最後の涙でしょうね。テーマがテーマであるだけに、全体的に非常に重く暗い雰囲気の作品ですが、最後は少し希望を感じさせる終わり方なのが救いです。
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  • 「子供を殺してください」という親たち

    押川剛/鈴木マサカズ

    タイトルも内容も衝撃的。覚悟して読んで。
    2025年7月10日
    衝撃的なタイトル通りの、衝撃的な内容です。他の方のレビューでも指摘されているように、飼い猫を○す場面などの残酷な場面もあり、色々な意味で読むのには覚悟が必要だと思います。精神疾患、アルコール依存や薬物依存、長期のひきこもりなどの問題を抱えた我が子に、親はどう向き合えば良いのか?答えは一つではないし、しっかり向き合っても現状の打開に繋がるとも限らない。各話の終わりも希望の持てる終わり方は少ないので、人によっては読みながら苦しくなるかも。
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  • 女は同じ物語

    山本周五郎/古典名作文庫編集部

    ほほえみたくなる短編
    ネタバレ
    2025年7月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 冒頭の両親の内緒話から、急に身の回りの世話をする侍女がくるあたりで、オチの予想はできてしまいました(笑)。なので星☆は一つ減らしています。それにしても、広一郎もチョロいなぁ(笑)。つなと母上の目論見通りになるなんて(笑)。そして幼いつなのおてんばぶりと利発さが、面白いやらおかしいやら。そんなつなに振り回される子ども時代の広一郎は、気の毒やら笑えるやら。読み終わったあと、「ふふっ」とほほえみたくなる作品です。
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  • ひやめし物語

    山本周五郎/古典名作文庫編集部

    心温まる佳作
    ネタバレ
    2025年7月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大四郎をはじめ、柴田家の人々ののんびり具合がなんともほほ笑ましいです。分家の目処も仕官のあてもないのに、自分の前途を全く悲観せず、卑屈にもならない大四郎のおおらかさが読んでいて気持ち良いです。届けた財布の中身を抜いたと疑われた際の、堂々とした対応ぶりも清々しい。そして、ぬひ(ぬい)の一途さと慎ましさがまた良いんです。きっといつまでも仲睦まじい夫婦でいることでしょう。心温まる短編です。
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  • 女ともだち(一条ゆかり)

    一条ゆかり

    やっぱり一条ゆかりさんの作品は面白い!
    ネタバレ
    2025年7月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 反発し合う2人が惹かれ合っていったり、仲良しだった2人が仲違いしてまた仲直りしたり…王道とは思ってもやっぱり一条先生の作品は読み応えがあって面白い!最後はみんな幸せになって、よかったよかった。それにしても、菜乃と晴臣、いつになったら遠距離恋愛が終わるのかしら(笑)。
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  • クリスマスのすすめ―聖子シリーズ―

    くぼた尚子

    あんまり素直に笑えないんだよね…ごめん
    2025年7月2日
    くぼた先生の作品は好きなものが多いのですが、この作品はあんまり…。セリフが多く、ごちゃごちゃとしていて見づらいのと、回りくどく理屈っぽい言い回しが多くて疲れます。基本は「ちょっと風変わりな母娘」のコメディなんですが、私にはあまり面白く思えませんでした。強いておすすめはしません。
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  • 朝も昼も夜も

    くぼた尚子

    「たまさかにロマンチック」の続編です
    2025年7月1日
    比呂の不思議ちゃんっぷりがさらにパワーアップして、ちょっと理解が追いつけなかった(笑)ので、星はマイナス1☆柊ニさんとお幸せにね!
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  • たまさかにロマンチック

    くぼた尚子

    ロマンチックな作品も良いですね
    2025年7月1日
    くぼた先生と言えば独特のセンスが光るコメディ作品のイメージですが、本作のようなロマンチックな作品も味わい深いです。ちょっと(いや、かなり?)変わったヒロインの過去が、ほほえましくも切ない。この作品の後は、続編の「朝も昼も夜も」もお忘れなく。
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  • 明るい家庭のつくり方

    くぼた尚子

    母は強し…いや、母「が」強し(笑)!
    2025年6月30日
    どこまでも天真爛漫でかわいいるかちゃんより、どこまでも傍若無人・天上天下唯我独尊のるい子さんの自由すぎる暴走っぷりが好きです(笑)!他の誰にも真似できない、くぼた先生だけの独特のギャグセンスが思う存分楽しめます。お腹の底から笑いたい時におすすめ!
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  • 絶滅動物物語

    うすくらふみ/今泉忠明

    忘却は「2回目の死」
    ネタバレ
    2025年6月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 人間の身勝手な都合や、無知による乱獲等により絶滅した(というより絶滅させられた)、あるいは絶滅の危機に瀕している数多くの動物たち。それぞれの動物が絶滅に至る過程が淡々と紹介されていますが、その「淡々と」描き出されることで、動物たちの辿った絶滅への過程の過酷さや残酷さが余計に胸に迫ってきます。「モーリシャス・ドードー」の中で幼いアリスが語る言葉。「死は二回あるんだって」「一回目は命が尽きた時 二回目は 誰からも忘れられた時」。もうこの世には存在しない動物たちに「二回目の死」を与えないために、今を生きる私たちにできることは何なのか?この作品こそが、その答えだと思います。
  • 真面目なマジメな真締くん

    まるいがんも

    「社会人あるある」がギュッと詰まってる!
    2025年6月22日
    ほっこり、ゆるーい感じの絵で癒されます。社会人経験が少しでもある人なら、みんな経験するような「あるある」がてんこ盛り!思わず「ふふっ」となる話が多いですが、中にはちょっとしんみりする話や、「なるほど…」と頷きたくなる話もあり、どれを読んでも楽しめます。タイトルからも分かるように、登場人物のネーミングが超分かりやすいのも、個人的にはツボです(笑)。ちょっと肩の力を抜いて楽しみたい方におすすめ!
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  • のんちゃんの手のひら

    金子節子

    健常児ではない子どもにどう対応するか?
    ネタバレ
    2025年6月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ダウン症児についての理解を深めるにはお薦めの作品ですが、主人公夫婦の主張の全てに同意はできない…かな。他の方のレビューでも指摘されていましたが、頑なに養護学校への進学を拒否したり、自分たち亡き後の「保護者」として第二子を産んだり。障がい児を持つ親の行動として、これは一般的なのかしら?疑問が残ります。かと言って、障がいのある子をみんな養護学校に行かせれば良いのかというと、それも違う気がする。いろいろ考えさせられる作品でした。
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  • SLAM DUNK

    井上雄彦

    ついに電子版、登場!
    ネタバレ
    2025年6月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙イラストも新たに、満を持しての電子版登場!待ってました〜!こんなにハマった少年漫画は、「キャプテン翼」以来です(歳がバレそう笑)。キャラクター一人一人がみんな魅力的で、みんな大好き。ジャンルを問わず、子供の頃からどの漫画でも「味のある脇キャラ」を好きになることが多かった私ですが、この作品は珍しく主人公も大好き!海南戦で牧選手との一騎打ちの後ベンチに戻った花道が、自分の心臓の鼓動を感じながら「心臓の音が 聞こえる…」と心の中で呟くシーン。花道が本物の「バスケットマン」になった瞬間が最高です。あと、陵南戦で木暮くんが最後のワンゴールを決める場面。流川や花道のような天才プレーヤーではなく、ただバスケが好きでコツコツと努力を重ねてきた「フツーの子」があの大事な場面で決めるのが、最高に泣けます(感涙)。間違いなく、日本のスポーツ漫画の金字塔の一つ。全人類に読んでほしい、そして永遠に読み継がれてほしい作品です。
  • 天幕のジャードゥーガル

    トマトスープ

    巨大な帝国の中に嵐を起こす、2人の女
    ネタバレ
    2025年6月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 登場するキャラクターの多くが実在の人物であり、史実に基づくストーリーで、かわいらしい絵柄とは裏腹の非常に重い内容の作品で読み応えがあります。歴史の教科書等でさらりと書かれる「他民族による征服」という言葉の持つ意味を、ヒロイン・ファーティマを通して噛みしめながら読んでいます。多くの国を征服して広大な帝国を築いた騎馬民族…と聞くと、壮大で勇壮なカッコ良さを感じていましたが、「征服」の裏には数多くの非征服民の死があり、生きながらえた者は生き延びる為に屈辱と服従の人生を送らねばならない。「他民族に征服される」とは、そういうことなのですね…。嵐を呼ぶと言われるジャダ石を手に「この帝国をめちゃくちゃにするような 嵐を待っているの」とファーティマに語ったドレゲネ。「二人でなら 嵐も起こせましょう」とドレゲネの手を取るファーティマ。知恵を武器にその「嵐」を少しずつ、着実に起こしつつある2人。今後の展開が非常に楽しみです。
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  • いびってこない義母と義姉

    おつじ

    みんな、ただの「良い人」でした(笑)!
    2025年6月9日
    まだ本作を読んだことのない方、ご安心ください。ホントに!全然!いびってこないんです!いかにも意地悪顔の義母&義姉たちですが、みんなただの良い人たちです!紛らわしいんだよ、みんな(笑)!顔と中身が一致しないにもほどがあるでしょう(笑)。美冶が学校デビューしたことで、更に登場人物が増えましたが、みんな基本的に良い人(たぶん笑)です。今のところ、テーマはほっこり家族愛と友情がメインですが、いずれ恋愛話も出てくるのかな?これからの展開も楽しみです。
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  • 子どもにキレちゃう夫をなんとかしたい!分冊版

    水谷さるころ/山脇由貴子

    プロのカウンセリングは、やっぱりすごい!
    2025年6月7日
    妻であるさるころさんがどんなに言っても変わらなかった夫・ノダDのキレ癖が、プロのカウンセリング後に少しずつ、でも確実に変わっていくのが驚きでした。性格や行動、考え方を変えられないのは「本人の努力不足」と考えがちですが、必ずしもそうではなく、そもそもの根本の問題点が何なのかを「正しく知る」ことと、その解決法への「正しい」アプローチが大切なんですね。勉強になりました。カウンセラーの山脇先生のコラムもとても面白かったです。
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  • いつでもお天気気分

    羅川真里茂

    これぞ青春!
    2025年6月6日
    全く違う個性の持ち主の男子3人を中心に、高校生たちの日常を描いた青春漫画です。恋愛話あり、友情話あり…いや〜青春って良いですね!羅川先生の描くキャラは、男の子はカッコよく、女の子は可愛くて、みんな魅力的です。どの話も面白くて楽しめますが、個人的に一番印象に残っているのは、猪又さんとナオ先輩とのお話。同性愛ではなくても、中高生くらいの頃に同性の年上の人に憧れた経験は、誰にでもあるのではないかしら?自分の高校時代を思い出して、ちょっと懐かしくなっちゃいました(笑)。
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  • 夏の娘たち

    くぼた尚子

    真逆の2人が織りなす、ほっこりコメディ
    2025年6月5日
    セレブのお嬢様・薔子とフツーの女の子・悠貴。真逆の2人の、夏から冬にかけての物語です。くぼた先生の独特のギャグセンスと、心がほっこりする温かさが読んでいて心地よいです。
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  • 神童と猛獣

    加藤マユミ

    全ての出会いは、幸せへの道に繋がっている
    ネタバレ
    2025年5月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 健ちゃんとエリナの出会いが、周りの人々同士の出会いにつながり、みんなが幸せになっていく。王道の展開ですが、それが読んでて気持ちいい。佐野パパと修一くんの表情が少しずつ柔らかくなっていくのは自分のことのように嬉しかったし、ヤコポとエリナの親子対面には感動してもらい泣きしたし(笑)。読んだあと、心が温かくなる作品です。ちなみに、沼っちや未唯先生など、加藤マユミ先生の他の作品のキャラ達もちょこちょこ出演しているので、登場するたびにニヤニヤしていました(笑)。1番の傑作は、カンペーと未唯ちゃんの三つ子の息子くん達かな〜(笑)。物語の中盤以降に出てくるので、お楽しみに(そこかい!笑)。
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  • 陳舜臣 中国の歴史

    陳舜臣

    知っているようで知らない、隣国の歴史
    2025年5月22日
    神話から現代までの中国の歴史が、分かりやすく解説されています。数多の王朝の隆盛と滅亡を繰り返し、近代化と西洋化を経て「中華人民共和国」に至るまでの激動の歴史は、なんとも壮大でドラマティック!近代と現代の部分はかなり駆け足で紹介されているので、同著者の「中国の歴史 近・現代編」も併せて読むのをお薦めします。
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  • カリフォルニア物語

    吉田秋生

    吉田秋生先生の初期の作品
    2025年5月10日
    吉田秋生先生の初期の作品です。今とはかなり絵の雰囲気が違いますが、胸を打つヒューマンドラマの「魅せ方」はこの頃から変わってないなぁ。主人公・ヒースと、彼を取り巻く人々の、さまざまな苦悩が描き出されています。「カリフォルニア」と聞いて多くの人が思い浮かべる、明るく陽気なイメージとは裏腹の、ずしりと心に来る重い作品だと思います。人の苦しみや悩みに同調しやすい人にはおすすめしません。
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  • Do Da Dancin’!

    槇村さとる

    楽しく読んではいたけれど…
    2025年5月10日
    リアルタイムで読んでいた時は、鯛子が好きで応援していました。バレエを通して鯛子が出会うさまざまな人たちが、みんな個性豊かでそれぞれに魅力的だし、彼らとの出会いを通して人間としてもバレエダンサーとしても成長していくのが楽しみでした。「一人で踊れるダンサー」を目指すところまでは良かったけど、「世界」を目指し始めてからちょっと設定に無理を感じるように。いくらなんでもバレエの世界はそんなに甘くないんじゃ…と思ってから、あまり楽しめなくなりました。踊るシーンはどれもとても美しくて素敵なんですけどね。
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  • 恋のめまい愛の傷

    一条ゆかり

    誰も悪くない。悪いのは出会いのタイミング
    ネタバレ
    2025年5月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ リアルタイムで読んでいた時には琳の母親が嫌いだったけど、時が経って彼女の歳を超えた今では、彼女の気持ちがよく分かります。そして彬の一途さを、嬉しいと同時に怖いと思う更紗の気持ちも。誰かが悪いわけではなく、ただ更紗と琳が出会ったタイミングが悪かったのだと思います。少し早すぎたんだなぁ。文字通りの紆余曲折の末に最後は元鞘に戻ったわけですが、こんなに濃い内容の物語をたったの2冊に収めてしまえる一条先生はすごい!最後、ちょっとバタバタと急いで終わらせたような感じなので、星は一つ減らしました。
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  • 古都

    川端康成

    離れて咲くすみれの花のように
    ネタバレ
    2025年5月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 京都の四季の風景と風物詩を縦糸に、千恵子とその周辺の人々を横糸にして、まるで秀夫の織る帯のように織りなされていく物語。千恵子の家の庭の2株のすみれが離れて咲くように、千恵子と苗子も奇跡的に巡り逢いながらも共に暮らすことはできない。まだ明けぬ冬の暗い朝の雪の中を、一度も千恵子の方を振り返らずに帰っていく苗子の後ろ姿は、真っ直ぐに並び育つ北山杉のように凛として美しかったに違いない。美しくも哀しい作品である。
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  • 永遠の誓い(フルカラー)

    海野真

    ジャックのスパダリっぷりに目が眩む(笑)
    2025年4月30日
    ジャックとヘロン枢機卿。全くタイプの異なる2人にドキドキしっぱなし!特にジャックの溺愛ぶりにクラクラしちゃう(笑)。羨ましい!この三角関係(?)が今後どう展開していくのか、楽しみです。個人的には、制服系の衣装デザインのカッコ良さも嬉しい(*´˘`*)♡
  • 災禍の神は願わない 小冊子付き電子特装版

    尾羊英

    スペシャルおまけ漫画が読めます!
    ネタバレ
    2025年4月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 2巻は絶対にこちらをおすすめ!スペシャルおまけ漫画が4編収録されています。ジイさま…じゃなかった、ラーとトートの拗らせ愛がたまりません(ニヤリ)。
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  • 災禍の神は願わない

    尾羊英

    2巻はぜひ「特装版」を!
    2025年4月24日
    エジプト神話を基にしたファンタジー。神さま方の愛が、深すぎたりこじらせすぎたりして、いろいろすごいことになってて面白いです(笑)。タイトルにあるとおり、2巻はスペシャルおまけ漫画が4本も入った「電子特装版」をぜひお読みください☆
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  • ツルモク独身寮

    窪之内英策

    レイ子、フォーエバー!(爆笑!)
    2025年4月14日
    昭和から平成にかけての世相がよく分かる、懐かしい作品。特にキャラたちのファッションやヘアスタイルに時代を感じます(笑)。主人公・正太の青春物語をベースに、ちょっぴりエッチな話あり(青年漫画だからね笑)、仕事への熱意に目覚める話あり、ピュアな恋愛話あり、盛りだくさんで面白い。キャラもみんな個性豊かで面白いんですが、やっぱりレイ子さんに全てもっていかれちゃったな〜(爆笑)!最後はみんな収まるべきところに収まって、良かった良かった。やっぱり青春はこうでなくっちゃ!
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  • おさん

    山本周五郎/古典名作文庫編集部

    男と女、それぞれの哀しい性(さが)
    2025年4月14日
    男を夢中にさせずにおかない体に生まれついたが故に、不幸になる女「おさん」。彼女に出会ったが故に、人生を狂わされていく男たち。そのどちらも哀しいと思わずにはいられない。短いけれど、山本周五郎らしいしみじみとした哀感が漂う作品。
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  • 怪盗 アレキサンドライト(分冊版)

    秋乃茉莉

    ジャンヌ先生、いつ寝てるのかしら?(笑)
    ネタバレ
    2025年4月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「謎めいた怪盗・真面目な家庭教師・妖艶な娼婦」の3つの顔を持つヒロインの活躍ぶりが、魅力的でカッコいい!振り回されてるアンリも、良い味出してます(笑)。実際に起きた事件や実在の人物、文学作品などを絡めたストーリーも面白くて、勉強になりました。それにしても、ヒロインはいつ寝てるのかしら?不老不死のサンジェルマン伯爵の弟子だから、睡眠は必要ないってこと?「依頼人」はサンジェルマン伯爵?色々謎が解けないまま終わったので、星は一つマイナス☆
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  • 彩雲国物語

    雪乃紗衣/由羅カイリ

    諦めずに戦うヒロインは、やっぱり美しい!
    ネタバレ
    2025年3月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 絵はキレイだしストーリーは面白いし、おすすめです。古代中国風の世界観が、私の好みにドンピシャ(死語)でした(笑)。どんな苦境に陥っても、決して諦めないヒロインが良い。他の主要キャラもみんなそれぞれに個性豊かで、魅力的です。個人的には、藍さま一押し(笑)。あのチャラさが好きです(笑)。史上発の女性官吏になるまでのヒロインの努力が涙ぐましくて、応援せずにはいられません。最後、夢を叶えてそのままハッピーエンド…と思いきや、番外編での「『少し困り顔』の面を付けた胡蝶姐さん」の破壊力に全てを持っていかれてしまった(爆笑)。
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  • 江戸前の旬

    九十九森/さとう輝

    江戸前のお寿司を食べたくなる!
    ネタバレ
    2025年3月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 寿司ネタだけでなく、幅広い範囲の豆知識を楽しめる作品です。また主人公・旬やライバルたちの、職人として、人間としての成長を見るのも楽しい。読んだ後に心が温まる話がほとんどなのも良いですね。星を一つ減らしての評価なのは、複数のレビューで指摘されているとおり、旬の奥さんである藍子の登場から雰囲気が変わったように思うからです。藍子のキャラを全否定はしませんが、この作品の中ではちょっと違和感を感じます。あと、連載が長くなった結果のマンネリ感も否定できません。豆知識を増やすのが好きな方や、「江戸前の寿司」に興味のある方にはおすすめです。
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  • 空気が「読める」新入社員と無愛想な先輩

    鳥原習

    その能力、欲しい(笑)!
    2025年3月30日
    絵もストーリーもほんわか優しい作品です。一見クールで近寄り難い樹先輩の、見た目と中身のギャップが良い!
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  • おじさまと猫

    桜井海

    優しい気持ちになれる作品
    2025年3月25日
    ペットショップでずっと売れ残っていた猫と、飼い主となる「おじさま」との心の交流から始まる物語です。絵もストーリーも、優しくて心に沁みます。おじさまの過去は悲しく切ないけど、ふくまるとの出会いを通して、少しずつ乗り越えていくおじさまの姿に涙、涙…(泣)。そして、おじさまとふくまるのこれからの展開にワクワク!猫好きの方にも、そうでない方にも、優しい気持ちになりたい時におすすめです。
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  • にんじん

    ジュール・ルナール/岸田国士/古典名作文庫編集部

    母と子のなんとも奇妙な関係
    2025年2月12日
    淡々と、また時にはユーモラスに綴られる、ルピック家の末っ子「にんじん」とその家族の物語なのですが、母親とにんじんの関係がなんとも奇妙。兄と姉には優しいのに、にんじんに対しては冷たく、にんじんにだけメロンを食べさせないとか、嫌な仕事(狩の獲物の息の根を止めるとか)を押し付けたりなど、どう考えても○待なんですよね。しかも作者ルナールの実体験を基にしているというから、驚きです。昔から毒親は存在したんですね。この翻訳は少し古さを感じますが、レトロなイラストにマッチしていて、その古い感じが逆に良い味を出していると思います。
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  • 嵐が丘

    E・ブロンテ/小野寺健

    凄まじいほどの愛と憎しみの復讐劇
    ネタバレ
    2025年2月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 確か、高校生の時の読書感想文の課題図書の一つだったと思います。図書館や書店で何度も手に取って、パラパラとめくってはなんとなく気が進まずに戻して、結局読んだのはつい最近。この本を選んだのは、「新訳」の文字に惹かれたのと、文字サイズが小さすぎなくて読みやすいのが理由です。冒頭に主要人物の関係図があるので助かります(これを頭に叩き込んでおかないと、非常に混乱します。キャサリンの娘もキャサリンだし、ヒースクリフとイザベラ・リントンの息子が「リントン・ヒースクリフ」で、苗字だか名前だか分かりにくいです。何故作者はこんな名前にしたのでしょう?)。それにしても、なんと深く激しい愛と憎しみ。「愛憎は表裏一体」と言うけれど、ヒースクリフのキャサリンに寄せる感情の激しさに圧倒されます。キャサリンを愛すれば愛するほど、憎まずにはいられない。憎めば憎むほど、愛さずにはいられない。そして復讐を果たさずにはいられない。最後、死してヒースクリフの魂が解放されたことを祈るばかりです。
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  • キアラ

    森園みるく/桐野夏生

    桐野夏生の原作で、面白くないわけがない!
    2025年2月11日
    原作が桐野夏生さんだけあって、ストーリー展開が面白い!基本はいわゆるレディコミなので、エロ要素は濃いし、同性同士の絡みもあるし、色々と刺激は強めです。森園先生らしい、華麗でスタイリッシュな作画も素晴らしいですね。
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  • ちいさこべ

    山本周五郎/古典名作文庫編集部

    心が温かくなる短編
    ネタバレ
    2025年2月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 山本周五郎の傑作短編の一つ。大工の若統領・茂次の不器用さ(大工としてではなく人間として)と口下手がもどかしくもいじらしく、胸を打たれる。その不器用さと口下手故に、彼の言動は時に不義理や親不孝、不人情に見えるが、その言動の裏には相手への思いやりや両親への思慕の情など、あたたかな心が隠れている。そして、彼を支えつつ孤児たちの面倒を見るおりつの存在。おゆうに嫉妬や羨望を感じても、それを極力態度に出さないようにして、子供たちと一緒に読み書きを教わる健気さ。互いに支え合い、補い合いながら、温かい夫婦に、そして家族になることだろう。読み終えた後、心が温かくなる作品である。
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  • 「あると」の「あ」

    赤石路代

    「モーツァルト、モーツァルト」
    ネタバレ
    2025年2月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 懐かしい!作品はもちろん、小花模様のコミックカバーのデザインも優しくて魅力的です。あるとの母親が危篤状態になって病院に駆けつける途中、北斗が「マーラー(作曲家)の最後の言葉、知ってる?…『モーツァルト、モーツァルト』」。あるとの名はモーツァルトの「アルト」で、その流れの「マーラーの『最後』の言葉」。もう目前に迫っているあるとの母親の死を、「死」という言葉を全く使わずに、でも確実に読者に連想させる。この場面を、読んで数十年経った今でも私は忘れられません。赤石先生ってすごいな…。
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  • セシルの女王

    こざき亜衣

    斬新な切り口で魅せる、英国王室の物語
    ネタバレ
    2025年2月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 書籍や歴史系動画などで、ヘンリー8世と6人の妻については大まかに知っていたので、正直「今さら漫画で読んでもね…」と思いつつ無料分の1巻を読んでみたら、それが沼の入り口でした(笑)。まだ2巻までしか読んでいませんが、ウィルが好きだー!アン・ブーリンも好きだー!でも今後の彼女の運命を考えると、続きを読むのが怖い(泣)。そしてラルフが気になる。単なる賑やかしのモブキャラかと思いきや、ウィルの父親に「学資は出してやるから、ウィルと一緒に大学に行ってくれ(=息子を守ってくれ)」と言われ、スッ…と表情を引き締めて「…はい、旦那様」と答えたラルフ。ウィルがウィルなりに覚悟を決めたように、ラルフもラルフなりに覚悟を決めた瞬間が強く印象に残っています。彼らを待つ今後の運命は分かっているけど、最後までしっかり見届けたいと思います。
  • 片田舎のおっさん、剣聖になる外伝 はじまりの魔法剣士【分冊版】

    佐賀崎しげる/鍋島テツヒロ/空路恵/渡辺樹

    外伝も面白いですぞ!
    2025年2月4日
    幼いフィッセルはかわいいし、ちょっと若いベリル先生はカッコいいし、本編とはまた違った魅力と面白さ!まだ一巻しか読んでいませんが、こりゃ続きを読むのが楽しみです♡
  • LEGAの13

    やまざき貴子

    精緻な絵と華麗なストーリー
    2025年1月31日
    16世紀初頭のヴェネチアを舞台に繰り広げられる魅力的な作品です。主人公レガーレの出生や、クラリーチェの正体、アルフォンシーナとの恋。そして悪しき者への相応の報い…。最後、全ての謎は明らかになり、スッキリキレイにまとまって気分が良いです。雑誌掲載時には細緻で美しいと感じた絵が、電子版だと細かすぎて見づらいのが残念。
  • はいからさんが通る 新装版

    大和和紀

    これを読まずして少女漫画を語るなかれ!
    2025年1月23日
    アニメをリアルタイムで見ていた世代です。懐かしいなぁ!今読んでも、何度読んでも、やっぱり面白い!個性的で魅力的なキャラクターに、スケールが大きくてドラマティックなストーリー…「少女漫画はこうでなくっちゃ!」と思う要素がてんこ盛り盛り(笑)!愛蔵版が電子コミック化されているので、普通のコミックにはなかった巻末のおまけページが嬉しい。しかもその内容が、山岸涼子先生との対談とか、安野モヨコ先生のエッセイとか、豪華すぎ!ありがたいありがたい。その中で一番印象に残ったのは、2巻の巻末に収録されている「読者の皆様」と題した大和和紀先生からのメッセージです。この作品が描かれた昭和の時代、また作品の舞台となった大正時代にあったさまざまな差別や偏見について、「作中のその描写を削除することは、『そういった差別や偏見があったという事実』をなかったことにしてしまう」との配慮から、あえてそのままにしてあるとのこと。今回このメッセージを読んで、価値観や考え方の変化も含めて「時代の変化」について考えさせられた次第です。その意味でも、「この作品を読まずして少女漫画を語るなかれ」と思います。は〜、つくづくすごい作品だな、これは。
  • パズルゲーム☆はいすくーる

    野間美由紀

    「葉蔓(はづる)」は「パズル」だったのね
    2025年1月13日
    懐かしいなぁ!謎解きにはワクワク、ちょっとエッチな場面ではドキドキしながら読んでいました。シリーズ化してずいぶん長く続いていましたが、高校生の時も大人になってからも、結婚や出産などのライフステージ変化後も、それぞれに面白い!現時点ではまだ電子書籍化されてない「ジュエリーコネクション」シリーズも、グッとオトナの雰囲気でこれまた魅せる作品です。こんなに多くのミステリー漫画を描いているのに、ネタもトリックも一つも被りがないというのが信じられない。野間先生ってホントにすごい方だったんですね…
  • Do Da Dancin’! ヴェネチア国際編

    槇村さとる

    再び夢を追うには遅すぎたのでは…
    2025年1月11日
    「一度は諦めた夢を再び目指す」というのはすごく感動的な話ですが、20歳過ぎのバレエダンサーがプリマを目指すのはかなり無理がある設定ですね。現実世界でのプリマバレリーナたちの経歴を調べれば分かることですが、みんな10代の内から世界の舞台で踊っているような人たちばかりです。バレエダンサーとしての成長に一番大切な頃に「ただなんとなく踊っていただけ」の鯛子が、今更どんなに良い指導者とパートナーに恵まれて努力しても、プリマになれるとは思えません。前作に引き続いて読んでいましたが、だんだんと展開に無理を感じるようになりました。それに加えて、以前に比べると作画がちょっと雑になったように思えます。槙村先生の作品には好きなものが多いけど、この作品はもう読まないでしょう。
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  • 北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし

    白樺鹿夜/江本マシメサ/あかねこ

    「お慕いする会」、私も入会希望(笑)!
    2025年1月10日
    友人から勧められて読んでみましたが、良いわ〜この世界観!ほんわか夫とイケメン(?)妻のカップルですが、2人とも「違い」を全く否定せず、丸ごとあるがまま受け入れるのが良い。互いに相手の国に行った時、気候・食べ物・暮らしぶりなど、何もかも故国と違うのに「ここではそうなんだ」とその違いを受け入れて楽しむ。ステキな夫婦です。末永くお幸せに♡
  • でこぼこ魔女の親子事情

    ピロヤ

    思いっきり笑いたい人は読むべしッ!
    2025年1月8日
    まだ無料分しか読んでないんですが、次から次へと繰り出されるギャグが面白すぎて、腹筋崩壊するぅ!誰か助けてぇ(笑)!魔女にエルフにゴブリンに…雑かわいい不死鳥にゴーレム…グフッ(思い出し笑い)、その辺の男より男前(?)なリラおばさんとか…!続きが気になり過ぎて、夜しか眠れないだろ!(←笑い過ぎによる一時的な錯乱)これはもう続きを読むしかないね!
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  • 鼓くらべ

    山本周五郎/古典名作文庫編集部

    芸術とは何かを問う、珠玉の短編
    ネタバレ
    2025年1月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 確か中学三年生の国語の教科書に載っていたと思う。私が初めて読んだ山本周五郎の作品であり、また自分の人生で初めて「芸術とは何か、どうあるべきか」を真っ向から問われた作品。ぴーんと張り詰めたような冬の空気の中、迫るお城での鼓くらべに備えるお留伊と、その鼓を聴きに来る謎の老人。その老人の正体と言葉の意味に気づいた瞬間、音楽とは、芸術とは何なのかという問いの答えにも気づいたお留伊。芸術において優劣を競うことの無意味さに気づいたお留伊と、「あなたは打ち間違いなどしなかった」と必死になる師匠との対比は、真の芸術に目覚めた者とそうでない者との差を、残酷なまでにはっきり読者に見せつけている。こんなに短い作品なのに、なんという深い味わい。さすがは山本周五郎。
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  • 初恋、ざらり

    ざくざくろ

    恋も人生も「さらり」とはいかないよね…
    2025年1月6日
    「普通」になりたいけどなれない有沙の生きづらさが、読んでいて苦しかった。今までの人生で、有沙のような人に何人か会ったことがあるけど、今思えば私はずいぶんキツく当たってたなぁ…恥ずかしいです。見た目で分からない障害を持つ人と共に生きることについて、いろいろ考えさせられる作品でした。タイトルの「ざらり」という言葉の響きが気になるけど、「さらり」とはいきませんよね、いろいろ…。
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  • おいしい関係

    槇村さとる

    いつまでも色褪せない名作
    ネタバレ
    2025年1月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインの料理人修行がメインなので、美味しいお料理がたくさん出てきて、みんな食べたくなっちゃう(笑)。洋食にせよフレンチにせよ、料理人の世界は奥が深いです。「料理を作る」ことを通しての百恵ちゃんの成長と、そんな百恵ちゃんと出会ってからの織田さんの変化が見ていて興味深かったです。他の作品でもそうですが、槙村先生はキャラクターのちょっとした仕草から、その人の心境や性格を表現するのがホントに上手いですよね。百恵ちゃんと話した後に帰って行く緑川さんが、日傘をくるりと回すところとか。お米を研いでいる千代ばあが、一粒落ちたお米を摘んで拾って羽釜にポイと入れるところとか。あと、仕草ではないけど、井上夫人から高橋シェフへの絵葉書が、小さい文字でびっしり書き込まれているのを見た百恵ちゃんが「好きな人への手紙って、伝えたいことがたくさんあるから小さい文字になっちゃうんだよね」と思うところとか。槙村先生の作品の、こういうところがたまらなく好きなんです。もう30年近く昔の作品だけど、今読んでも全然古さを感じさせないのもすごい。間違いなく、槙村先生の代表作の一つです。
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  • 朱のチーリン

    向井沙子

    異色の三国志漫画、スタート!
    ネタバレ
    2025年1月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「三国志演義」を読んだのはまだ学生の頃で、姜維という人物が活躍していたことを、この作品を目にするまで綺麗さっぱり忘れていました。この作品はまだ1巻しか読んでいませんが、儒教の教えを信じる主人公たち漢民族(「人間」)対異民族(「獣」)の対立の構図、三国同士の抗争、父の仇討ちのために敵国にわざと降伏する主人公などなど、引き込まれる要素がすでにてんこ盛り!三国志をテーマにした作品は色々ありますが、姜維を主人公に、また異民族にも焦点を当てて切り込んだ作品は初めてなのでは?今後の展開が楽しみです!
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  • どちらかの家庭が崩壊する漫画

    横山了一

    最凶の姑を止めるのは、やはりあの男…?
    ネタバレ
    2024年12月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ X(旧Twitter)で読んでいました。ぱっと見も苗字も、いかにもヤバそうな毒山家と、一見まともそうな薬師寺家。横山先生の他の作品をご存知の方には、どちらが崩壊するのかすぐ予想はつくでしょう。よく見れば、第一話からなんとなくその片鱗は見えてるんですよね。高級スイーツ買って帰る暇があるなら、その分早く帰って家事育児をすれば良いのにね。そういう「妻を気遣ってるつもりだけど、妻の気持ちには寄り添ってない」ことに全く気づいてないことが、徐々に大きな亀裂になっていきます。極めつけはシュウの母・サトコの干渉。これで夫婦関係が崩壊しない訳がない。シュウの鈍感さ以上に、あの姑の凶悪さが怖い。怖すぎる。けど「あの男」のドライビングテクニックのおかげで、さすがのサトコも敗北せざるを得なかったのは納得(笑)。サトコは最凶だけど、コハル氏は最強でしたね(笑)。サトコの過去話を読んだらサトコにも大いに同情したけど、それでも「超えてはいけない」部分はあると思うぞ、サトコ!
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  • きょうの横山家

    横山了一/ピクシブプロダクション

    何もかも漫画のネタに。それが漫画家の宿命
    2024年12月29日
    漫画家あるあるだったり、漫画家以外でもあるあるな日常だったりなんだけど、なんかクスッと笑えて面白い!ライブドアブログとして発表された作品をまとめたものなので、一話が簡潔で読みやすいです。そしてどのネタも面白い(大事なことなので2度言いました)。おすすめです!
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  • 時間をとめて待っていて

    ひかわきょうこ

    成長しても、お転婆娘(予想通りです笑)!
    ネタバレ
    2024年12月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「荒野の天使ども」の続編、前作の9年後のお話です。もう小さな子供ではないミリアムに困惑するダグラスに、やきもきしながら読んでいた記憶があります(笑)。しっかし、成長しようが記憶を失おうが、ミリアムはミリアムですよねー(笑)。予想外の事件に巻き込まれても、知恵と機転で解決&悪いヤツはやっつけちゃう、安定の逞しさ(笑)。ダグラスと夫婦になっても変わらないんだろうな。お幸せに♡
  • 半七捕物帳 全巻セット

    岡本綺堂

    和製シャーロック・ホームズ、見参!
    2024年12月26日
    雰囲気がなんとなくシャーロック・ホームズに似てるなぁと思っていたら、作者の岡本綺堂がホームズの翻訳本を読んで思いついた作品だそうです。納得!一話完結なので、一つ一つの話が長すぎなくて読みやすいです。作品の中で描かれる江戸の人々の暮らしぶりや、風俗習慣などもうかがい知れて面白い。時には勘違いしたり、手下と一緒に鰻に舌鼓を打ったり、朝寝坊したり、と人間味溢れる半七親分がなんとも魅力的です。この作品の後は、番外編の「三浦老人昔話」を読むのをお忘れなく!
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  • 荒野の天使ども

    ひかわきょうこ

    ひかわ先生の作品は昔から魅力的ですよね!
    ネタバレ
    2024年12月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「彼方から」のひかわ先生のかなり昔の作品です。キャラクターもストーリーも、いかにもひかわ先生らしい魅力に溢れていて面白い!特にヒロイン・ミリアムの、年齢に似合わないしたたかさというか悪賢さというか(笑)、完全にダグラスたち3人、いや周りの大人全ても手玉に取ってるところが痛快すぎる(笑)。ミリアムとダグラスの恋愛模様は、続編(「時間をとめて待っていて」)でちゃんと描かれて大満足。ひかわ先生の作品は、描かれた年代に関係なく、どれもみんな面白くておすすめです!…それにしてもダグラスの女装姿、いかつすぎて笑えます(爆笑)。
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  • 日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典

    蛇蔵/海野凪子

    古典に詳しい方には物足りないでしょうね
    2024年12月22日
    厳密には「日本人なら知っておきたい日本文学の作者と登場人物の裏話」かな?前作の「日本人の知らない日本語」と同じノリで気軽に楽しめますが、日本文学や文学史のお勉強になるほど深い内容ではありません。古典好きな方なら、この本を読むまでもなく知っていることばかりでしょう。まだ古典を学んだことのない小中学生なら、入門書として楽しめるかもしれません。
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  • 新しいパパがどう見ても凶悪すぎる

    横山了一

    外見で判断しちゃあ、いけねえぜ!
    ネタバレ
    2024年12月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「見た目がワルそうな人ほど良い人」という「横山作品あるある」がこの作品でも炸裂(笑)。今回は最強に凶悪そうなトラノスケと、最高に怪しいアイノスケという濃いキャラが2人なので、濃すぎる気が(笑)。でもやっぱり2人ともめっちゃ良い奴です。波乱はあっても安定のハッピーエンドなので、安心して読めます。
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  • 日本人の知らない日本語

    蛇蔵/海野凪子

    「袖ビーム」?そんなん知らんがな(笑)!
    2024年12月16日
    日本語学習者の質問が、日本人には目から鱗の連続で、爆笑したり驚いたり。コミックなのでとても分かりやすいし、気軽に楽しめます。日本語教師の皆さま方の日々の努力と苦労にも、一生懸命に日本語を勉強している学習者の皆さま方の努力にも頭が下がります。それにしても「袖ビーム」か…ガードレールの端っこにそんな名前がついていることさえ知りませんでした。日本人にも勉強になりますね(笑)!
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  • 嵐陵王

    伊吹巡/篠原正美

    懐かしい作品
    2024年12月15日
    白の聖武将・ヴィバーチェの美しさにドキドキしながら読んでいました。彼女に限らず、女剣士とか聖武将とか聞くと、どうにもワクワクが止まらないんですよね(笑)。この作品に出てくる「戦う女」がカッコいいんだから、しょうがない!アクション漫画であり、SF的要素もあり、輪廻転生もありの独特の世界観が面白くて魅力的です。絵もキレイで見やすい。
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  • 今宵もお待ちしております

    北川みゆき

    カクテルの数だけドラマがある…なんてね
    2024年12月14日
    隠れ家のようなバーに、謎めいた美人バーテンダー、カクテルをテーマにしたストーリー。設定が大人っぽくて魅力的です。お酒がテーマであるだけに、登場人物も当然大人ばかりなので、共感しやすく親近感があります。カクテルそれぞれの由来やレシピなども、とても勉強になって楽しめます。読み終わった後に無性にカクテルを飲みたくなるのが欠点かしら?(笑)彩美さんがステキな上司になっていたのが、個人的には一番嬉しかったな。
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  • 力技のシスター【連載版】

    山本アリフレッド

    そう、暴力。暴力は全てを解決する(笑)!
    2024年12月12日
    X(旧Twitter)でたまたま読んで、気がついたらハマっていました(笑)。こんなシスターに拳や蹴りをお見舞いしてもらえるなら、いくらでも懺悔したくなる。そんな怪しい、いやいや妖しい気分になる作品です(えっ?そんなの私だけ?そんなことないよね?)。悪魔と仲良しだったり、たまに薄いご本をお読みになったり、水着姿もセクシーだったり、薄いご本のネタにされたり。そんなシスターから今後も目が離せないっ!神よ、末永く読ませていただきます…アーメン。
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  • やせっぽちとふとっちょ

    加藤マユミ

    ほっこりあったかい気持ちになれる作品です
    2024年12月11日
    X(旧Twitter)で読んでいました。女の子と男の子が出会って、互いに惹かれ合いながら成長していく…お約束と言えばお約束の展開なんですが、エピソードの一つ一つがほっこりあったかくて良いんですよね〜。絵もかわいくて好きです。
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  • サラディナーサ

    河惣益巳

    完璧な女(ひと)に憧れた時もあったけどね
    2024年12月5日
    リアルタイムで読んでいました。この作者さんの作品の多くがそうですが、ヒロインが完璧で隙がなく、共感しにくいのが難。サラディナーサしかり、他作品だとジェニーやフランソワーズ、ファラもそのタイプですよね。周囲の人も崇拝者という感じで、崇め奉っているような。正直、羨ましい(笑)。けどマシューやドン・ファン殿下のような、迷ったり悩んだりする人間味あふれるキャラクターが好きな私には、完璧すぎるヒロインは近寄り難くて無理(泣)。絵は華やかで力強くて魅力的だし、ストーリーもドラマティックで非常に読み応えがあります。スペインの歴史に興味のある方には特にお勧めです。
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  • 五辯の椿

    山本周五郎

    椿の花弁に託された想い
    ネタバレ
    2024年11月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「御定法では罰することのできない罪」を犯し、父を苦しめた者たちに自ら裁きを下していく主人公・おしの。主軸は彼女の復讐劇であり、一人ずつ狙いを定めて仕留めていくところはサスペンス小説でもあるが、同時にいかにも山本周五郎らしい人情物でもある。「千両貯めたらお前を連れて出ていくつもりだった」と語る父・喜兵衛の言葉。召使いの少女おまさが罪に問われぬよう、あえて遠ざけようとするおしのと、女主人を慕いつつ案じるおまさとのやり取り。おしのの死に顔を見つめながら「父親の側でゆっくり休むがいい」と呟き、手拭いをかけてやる同心・青木の優しさ。そして喜兵衛とおしのの、互いを思いやる愛情のなんという深さ。罪を罪とも思わない者たちの死に爽快感を感じる部分もあるが、最後まで読んで振り返ってみれば、なんとも哀しく切ない気分にならずにいられない。山本周五郎の作品の中で、評価も人気も格別に高いものではないが、私にとっては忘れ得ぬ作品の一つである。
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  • 怖い絵

    中野京子

    「怖さ」にもいろいろある
    2024年11月27日
    知っている絵も知らない絵も、それぞれにまつわる話が面白い!「皇女ソフィア」のように一目見てすぐに恐怖を感じる絵もあれば、「レディ・ジェーン・グレイの処刑」のようにこれからどうなるのか想像してゾワッと怖くなる絵もあり、「死の島」のように訳のわからなさがじわじわと恐怖に変わる絵もあり…さまざまな「怖さ」を楽しめる作品です。
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  • 戦国コミケ

    横山了一

    コミケの達人が戦国の世を救う(かも)!
    2024年11月24日
    X(旧Twitter)で知って、読んでいました。大まじめに強烈なギャグをかましてくるので、家に一人でいる時に読まないと、ニヤニヤしながら読んでるのが周囲にバレます(笑)。オタクでなくても楽しめる作品ですが、「艦これ」を知っているとより面白いのかもしれませんね。それにしても、タケシは日本の歴史を知らなさすぎる(笑)。フツー知ってるでしょ、それくらい(笑)。読んだ後は、自分の日本史の知識に自信を持てるようになる作品です(注・作者の狙いはたぶんそこではない笑)。
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  • あこがれ冒険者

    あさぎり夕

    ヒロインの強さがカッコいい!
    2024年11月23日
    リアルタイムで読んでいました。当時小学生だった私、あさぎり先生が描く男の子たちに毎号ドキドキしてましたよ(笑)。少女漫画のヒロインって男の子に守られるタイプが多いのに、ミィは守ってもらうのではなく、男の子と「一緒に戦う」強いヒロインだったのがとても印象的でした。
  • 新装版 話を聞かない男、地図が読めない女

    アラン・ピーズ/バーバラ・ピーズ

    ずいぶん昔に流行りましたよね〜この本
    2024年11月23日
    男と女の行動や考え方などに違いがあるのは「脳の構造」が性別によって異なるから…という観点で書かれた本です。一時期、世界中で話題になったのは、この本を読んでいろいろと腑に落ちた読者が多かったのでしょうね。本の中にある「男脳・女脳診断テスト」で超男脳という結果だった私は、確かにこの本の中で指摘されている「男脳」の行動や考え方の特徴に非常に良く当てはまりましたし、「女脳」だった家族や友人も「女脳」の特徴に当てはまっていて、驚いたり面白がったりした覚えがあります。ただ、著者の主張には著者自身の偏見や思い込みも含まれているように感じる部分もあり、また全ての人に男脳・女脳の特徴が(脳の性別がどちらであれ)ぴったり当てはまる訳でもないと思います。「男女の違いについて、こういう考え方や解釈の仕方もあるよねー」くらいに受け止めるのが良いのかも。
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  • 一房の葡萄

    有島武郎/古典名作文庫編集部

    短くも深い作品
    ネタバレ
    2024年11月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 子供の頃に家にあった文学全集で初めてこの作品に触れた時には、「主人公が謝らなくても許してくれたジムは優しいなぁ」くらいに思っていました。大人になってから作者の有島武郎やこの作品の背景などを調べて、改めて読んでみると、キリスト教の教えに基づいて書かれた作品なのが良く分かります。ヨハネの福音書にある、イエスが自身を葡萄の木に、信者を枝に喩えた文章が根底にあり、その上で有島武郎自身の幼少期の体験を書いたのがこの作品で、クラスメイトの絵の具を盗んだのは幼い作者自身だったとのこと。有島家は裕福だったそうですが、作者は長男として非常に厳しく育てられ、外国製の高価な絵の具をねだれるような家庭の雰囲気ではなかったのでは、という説もあるそうです。もしそうであれば、ジムの絵の具を盗むしかなかった「僕」の気持ちを思うとなんとも切ないし、この作品が「単なる幼少期の思い出」というにはずっと深いものがあるように思えます。作中で、「僕」があれこれ思い悩みながら「つまらなく家に帰っ」ても、先生が下さった葡萄を「おいしく食べてしまっ」たところに、子供の無邪気さが垣間見えるようで、少し救われる気がしました。
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  • きのう何食べた?

    よしながふみ

    何気ない日常を、丁寧に丁寧に…
    2024年11月15日
    BLと思わせてからの飯テロ漫画&レシピ漫画です(笑)。料理がどれも美味しそうで、しかも小難しくなく、作ってみたくなるものばかり。読むとお腹が空いてくるのが、この作品の唯一にして最大の欠点ですな(笑)。この作品に限りませんが、よしなが先生の作品は登場人物同士の会話がすごく自然なのが好きなんですよね。そして丁寧に描き出される、何気ない日常の中の出来事。よしなが先生の作品のそういうところがたまらない魅力なんです。シロさんやケンちゃん含め、みんな少しずつ歳を重ねていて、現実世界同様に変化していってるのも良い。最後はどう終わるのかしら?最終話が楽しみなような、その日が来るのが怖いような。でもしっかり見届けたいと思います。
  • 人間の証明

    森村誠一

    麦わら帽子と詩に隠された真実とは
    ネタバレ
    2024年11月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 誰もが一度は目にしたことがあるだろう詩をモチーフにした推理小説。状況証拠のみで物的証拠がない容疑者の心を揺さぶり、自白に追い込む場面は圧巻です。登場人物同士の思いがけない過去の繋がりとそれぞれの結末に、人生の巡り合わせの不思議さ、不条理さを感じました。
  • 不協和音ラプソディ

    わかつきめぐみ

    笑いと涙(?)とじゃれあいの青春物語
    2024年11月14日
    中学から高校の男子生徒のじゃれあい感がよく出ていて、楽しい作品です。主人公の男子2人が、なんだかんだで良いコンビネーションで、不協和音のようだけど良い味出してるんですよね。クラスに1組くらい、こんな男の子達いましたよね?(笑)。そして忘れてはならないのが、古典のテスト!答えがクロスワードパズルとは(爆笑)!。こんなテスト、受けてみたかったなぁ。古典好きな方は挑戦してみて下さいね(笑)。
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  • 奈々-愛のたびだち-

    神崎順子

    みずみずしい作品集
    2024年11月14日
    子供の頃に「なかよし」で読みました。みずみずしく感動的な印象の作品ばかりです。懐かしいなぁ!表題作と、フラメンコの話が特に印象的です。
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  • はだしの王女マリエッタ

    牧村ジュン

    懐かしい!
    2024年11月13日
    昭和に「なかよし」読者だった世代には超懐かしい、牧村ジュン先生の初期の作品です。初出は1978年らしいので、さすがに絵にもストーリーにも古さを感じます。もうそんなに昔の作品になるんですねー。時が流れるのは早いなぁ。
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  • 緑の風を走りぬけ…

    吉田まゆみ

    吉田まゆみ先生の初々しい初期作品
    2024年11月11日
    吉田先生の初期の作品です。獣医師を目指すヒロイン・純の奮闘記ですが、クセが強い師匠にキャラが濃い飼い主、果ては師匠の息子も登場してのてんやわんや(笑)。併せて収録されている短編も含めて、いかにも昭和の楽しいコメディ漫画です。
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  • ゴルフ場殺人事件

    アガサ・クリスティー/田村義進

    ポアロ対ジロー、勝負の結果はもちろん…
    2024年11月10日
    ポアロの長編2作目。パリから捜査に出張ってきたジロー刑事が、とにかく横柄で鼻持ちならない男で、終始彼の言動にムカムカしながら読みました(笑)。ミスリードの巧みさとポアロの推理の鮮やかさは、2作目にして既に安定の域。数年後に改めて読み直して、また騙されたいですね。
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  • こっちむいてラブ!

    あさぎり夕

    昭和に少女時代を過ごした方、必見!
    2024年11月10日
    なっつかし〜い!リアタイで読んでいました。ヘアメイクで別人のような美少女に変身したり、全然タイプの違う2人の男性の間で心が揺れ動いたり…王道の少女漫画ですね!個人的には草さんでも暁くんでもなく、京介さんが好きでした。オネエキャラのイケメンという濃さが良い(笑)。キラキラの昭和の少女漫画が好きな方にお勧めします。
  • 伊勢物語

    木原敏江

    親しみやすい「伊勢物語」
    2024年11月10日
    「伊勢物語」の中でも、古典の教科書や問題集などでよく目にする話をコミカライズした作品です。堅苦しくなく読みやすいので、「伊勢物語」の入門編に良いと思います。気軽に古典に親しみたい方にお勧め!
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  • 真珠夫人

    菊池寛/さちみりほ

    原作とは違う点もあるけど、魅力的な作品
    ネタバレ
    2024年11月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 原作には原作の良さがあり、この漫画版には漫画版の良さがあると思います。個人的には、最後がハッピーエンドで良かった!瑠璃子や美奈子のファッションが、レトロで美しいのも素敵でした。
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  • KILLA

    大和和紀

    孤独な主人公が目指すものは…
    2024年11月8日
    かなり古い作品ですが、今読んでも面白い!生きるためならどんなことでもしていた浮浪児のキラが、演劇界を足がかりに実業界での頂点を目指すサクセスストーリーです。そしてキラと彼を取り巻く人々とのドラマでもあります。それは恋愛感情だったり、あるいは復讐であったり、キラがのし上がるための犠牲だったり。コメディ要素はゼロ。ピーンと張りつめた空気が漂う、大和和紀先生の作品としてはちょっと珍しい雰囲気です。
  • ハイヒールCOP

    大和和紀

    ブランドに詳しくなったきっかけはこの作品
    2024年11月7日
    大和和紀先生のコメディ作品。リアタイで読んでいました。市子さんのゴージャスかつリッチなファッションが毎回楽しみで、お陰でブランドにはやたら詳しくなりました(笑)。大和先生はコメディもホント面白い!
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  • スタイルズ荘の怪事件

    アガサ・クリスティー/矢沢聖子

    何度も読んで、何度でも騙されたい
    2024年11月5日
    後の作品と比べても遜色のない面白さ!読者をミスリードさせる手法や、ヘイスティングズの素人目線の意見が時にポアロの推理のヒントになることなど、後のクリスティ作品にも出てくる要素がすでにてんこ盛り。あらゆる意味で「原点」となる作品です。クリスティ作品は順不同で読んでも楽しめますが、やっぱり一作目を読んでおくことを強くお勧めします。
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  • まんがグリム童話 お江戸くノ一変化のお梛事件帖(分冊版)

    魔木子

    くノ一・お梛がお江戸の闇を斬る!
    2024年11月3日
    エロティックなレディコミ的要素もありますが、基本は勧善懲悪か、しみじみと胸を打つ人情物です。実在の人物や実際に起こった事件なども巧みに織り交ぜながら、くノ一のお梛と相棒(?)の京弥が、江戸に蔓延る悪をたたっ切っていくのが痛快!それにしても将軍様、子供作りすぎ(笑)。
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  • QUEEN BEE ―女王蜂―

    魔木子

    南洋の孤島に残された男と女
    ネタバレ
    2024年11月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 孤立した南の島に、複数の男と1人の女(しかも美しい女)…となれば、必然的に女の奪い合いになりますよね。「奪われる対象」から「男たちを支配する存在」に逆転させて生き延びる、という構図も含めて「アナタハンの女王蜂」と呼ばれた実話によく似ています(結末は違いますが)。桐野夏生さんの小説「東京島」もアナタハン島事件を基にしているので、併せて読むと面白いかも。
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