おめでとうございますと言ったものの、原作ファンとしてはぶっちゃけ色々心配もある…(大きなお世話すみません)。岩本ナオ先生は大好きな先生です。絵、話、言葉、キャラ作り、ギャグセンス、どれをとっても好みドンピシャリなのです。中でも、構図のセンス
にいつも度肝抜かれるのです。漫画表現ならではの強みを生かしたそのもの。漫画が絵本と似て非なるのは、『文字』の位置。絵本は絵と本文の配置はどちらも見易さが大事かと思いますが、漫画はそれ以上に文字の位置が物語の一部。岩本先生の言葉のセンスが大好きで、その言葉の文字の配置も大好きなのです。それを視覚を以て読むときに生まれる『間』が大好きなのです。詩の朗読だって朗読者によって大きく変わるのと同じように、あの漫画の配置のあの言葉だからこそワタクシは胸を打たれるのです。アニメーションはそれは出来ないから、果たして…と思ってしまう原作厨のレビューですすみません。
お話自体は、おとぎ話のような絵本のようなお話です。何か突飛なことがあるわけではありません。でも、大事なのはその物語を紡ぐ登場人物たちです。一人一人が愛しい。一人一人に願いがあります。想いがあります。彼ら彼女らが考え生きてきた年月を経て、とある一場面のお話なのです。イヤなヤツ、と思わせられるキャラクターもいます。こいつが悪い奴なんだ、そう思って読んでいました。けれど、やっぱり皆始まりは1つなのです。どうか、自分の周りの人々が苦しまず辛い目に合わず生活できますように。それを叶えることは難しいのです。彼らの手の内にあるものが大きすぎるから。目的と手段を過たず成すことは簡単ではない。イヤなヤツにだってなってしまう。
主人公の姫さまがとても大好きです。すごくすごくすごく良い子なのです。聡明で度胸もあって優しい。そんな彼女ですが、どこか儚げなのはあるコンプレックスがあるから。年頃の子なら一度はみんな味わったことのあるんじゃないかしら。親しみがすごいのです。そしてそのコンプレックスもまた彼女の魅力。言葉に言い表せないもどかしさ。あーーーーーー。
そして、岩本先生の恋愛話がとても好き。ハッキリと言葉にはならない表現方法。もどかしくて奥ゆかしい。比喩表現が多用されてますが、それもまた大好き。ドツボでございます。あーーーもうーーー。とりあえずオススメの少女漫画です。
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