紙の単行本も持っている作品です。読むと優しい気分になれる素敵な物語。
A国とB国のちょっとお馬鹿な争いが原因で運命の出逢いを果たすことになる、主人公サーラとナランバヤル。二人とも容姿は決して美形としては描かれていないけれど、実に健気で清らかな心を持っています。そして物語が進むごとにサーラは美しく、ナランバヤルは男前に見えてくる不思議。
ほんわかした雰囲気で始まるお話ですが、しっかりと山場もあり飽きさせません。異国情緒あふれる建物や衣装の描写も魅力的。A国はトルコ、B国はモンゴルあたりの国がモデルなのかな、と私は思いました。
それと、A国から贈られたナランバヤルの猫ちゃんの名前。初めて聞くとちょっとクスッとしてしまうような面白い響きですが、その意味がとても美しくて印象に残っています。
おとぎ話のようにかわいい物語です。ふんわりと温かな世界観に浸りたい方はぜひどうぞ!