手中に落としていいですか【単行本版】

やり手のゲイAV男優スカウトマンと童顔な見た目の純朴警察官のみだらな恋のお話。
こんなにエロくて、展開が面白い作品はないのではというくらい最高です。
とにかくキャラがいい。幼い顔に反してバキバキに鍛えた体、快感に涙目で蕩けたかと思えば抗って反抗的な目で悶えたりする新田。優しくて正義感に溢れる人道的な一面と、快感を身体が覚え落とされていく様子が、最高にギャップ萌えでした。無自覚の煽りは本当に天性のもの。可愛くてエロい、最高の受けです。
そして何よりも巳鹿島がいい。糸目男にこんなに心揺さぶられる日が来るなんてと自分の中の常識を覆されました。いつもニコニコしていて何を考えているのかが全然分からない掴みどころのなさと軽い口調からは想像出来ないセクシーさが同居した魅力的な人物です。あの糸目が開いた時の滾る雄感のギャップは史上最強ではないでしょうか。これぞまさに攻め、という熱い視線が心に突き刺さりました。決してカッコいいわけではないのに、こんなにも心奪われるキャラははじめてです。
そんな巳鹿島が新田をジリジリと落としにかかる手腕も最高です。いつも明るく素直に気持ちをぶつけてきたり、えちなテクで迫ってきたりするのに、一分間のキスタイムではどんなエロ展開かと思いきや真摯に想いを伝えてくるその手法。あれは全人類が落とされてしまう瞬間ではないでしょうか。でもそこからやっぱりえち展開に繋げ、その後のエロいあれこれは見応え抜群でした。
1巻のアップダウン激しめな内容と比べると2巻は本編も少なく新キャラ登場と話の伏線・広がりがメインです。でもこの広がりで二人の気持ちがどうやって近づいていくのか、どう影響するのか、今後の展開が楽しみすぎます。早く二人のラブラブえちが見たいです。
《追記》4巻まで読了。やっと、本当にやっと二人が身も心も結ばれて感無量でした。長い長いえちシーンはページ数もたっぷりで最高。巳鹿島がもっとガツガツいくかと思いましたが、最初から最後まで新田を気遣う優しさは彼の愛情の深さを感じさせました。二人の幸せな日々はまだ始まったばかり。続編が楽しみです。

初めて読む作者様でしたが、思い切り心臓を鷲掴みにされました。
糸目を見つけたら現実でも漫画の中でも推さずにはいられない性分の持ち主なので、こちらも巳鹿島の糸目に惹かれて購入しました。しかし、物語の最初の方こそ糸目を愛でる余裕があったのですが、すぐにストーリーに引きずり込まれ、ドキドキしながら糸目そっちのけで夢中で読んでいました。
実を言うと割と終盤まで巳鹿島は裏でヤバい事してるとか、とんでもない闇を抱えている裏の顔があるとか、とにかく「こいつはヤバい奴に違いない！」っていう思い込みが私の中にありました。４巻を読んでようやく、「あ、なんだ、可愛い糸目そのまんまの、めっちゃ良い人じゃ～ん！」って気付きました。いやむしろ、漫画の世界でも滅多にお目にかかれない３６０度全方位的に良い人でした。優しさや気遣いが完璧すぎて怖いくらいです。だから裏があるように見えちゃうのかな？
最初は少し絵が苦手かもしれないと思ったり、「どこまで焦らすんじゃ～！」っていつまでたっても進まない関係にヤキモキしたりしましたが、４巻で全てが吹き飛び、私はこれを読むために生きてきたのかもしれないとすら思いました。とにかく昇天しそうなくらい良かった・・・。焦らされた分、余計クルものがありました。その頃には絵柄も「これじゃなきゃ嫌だ！」って思うくらい好きになっていました。
私は察するのが苦手で、作品によっては「察してください」という空気を漂わせるだけで明確には表現しない部分があったりするので、その度にモヤモヤします。でも、くれの先生はそんな私でも察することができる表現力をお持ちでいらっしゃる。画面上のあらゆる要素を駆使して言葉の部分を補っているので、私のような者にも察することができるんだと思います。大変ありがたいです。特に４巻最後の長い長い２人の絡み。私の中に流れ込んでくる情報量が膨大過ぎて脳みそが爆発するかと思いました。これはもう、とにかく読んで欲しい。みんなに読んで欲しい！！
やっと思いが通じ合った二人がこれからどんなお付き合いをしていくのか、続編が楽しみで仕方ないです。