このレビューはネタバレを含みます▼
小生50年以上「マンガは紙だ!」という信念でやってきました。今回本作をネット広告で見てヒロイン(美月ちゃん)に年甲斐もなく一目ぼれしてしまいましたが、AI絵なのはすぐに分かりましたので、紙で発行される可能性は低いと判断、人生初の電子書籍購入に至りました。それほど魅力的なヒロインでしたし、購入して良かったと思える作品でした。
本作は(宣伝を見ると)一見レス夫婦の微エロ(結局美月ちゃんのバストトップは拝めなかったし)ラブコメに見えますが、本当のテーマは夫婦についての男女の考え方の違い(夫婦でいる目的、相手に対する思いやり、肉体的/精神的な繋がりに関わる価値観等)と、それに起因するコミュニケーションのずれ(相手によかれと気遣ったことが実はそうではなかった…的な状況)が生み出す信頼関係の継続的な不安定とその再構築への努力のプロセスの物語(のサンプル)なのではと思います。それは、自分を含めて刺さった人たちは皆、自分の体験を理由にしていることに示されており、その辺が分水嶺のように感じます。
が、それだけでは低評価の理由の十分な説明にはならない。本作には実際いわばメタ的な欠陥が存在していたからです。
その欠陥とは、
①キャラクターの微妙な感情の動きが表現できないAI絵の限界
詳細な描写を可能とした技術の進歩は素晴らしいのですが、まだ人間の感情の揺れの表出である微妙な表情の変化やマンガ的なギャグ表現による感情爆発シーンは厳しいようです(美月ちゃんにはその辺が殆ど見られませんでした。)説明的解説的台詞が少ないこともあり、彼女の心の変化が見えにくくなったのは否めないでしょう。
②作品の尺の制限
本作の短い尺で起承転結を描くと、どうしてもストーリー展開が駆け足になります。読者を納得させる結末に持っていくためにはやはり大イベントを持って来るしかない。これがNTR未遂事件だったのですが、唐突過ぎてそれまでの流れをひっくり返してしまいました。ただ逆に美月ちゃんはそこまでして守るべき「高嶺の花」だという効果も生みました。
以上、若干擁護じみた解釈論を展開しましたが、これが作者の意図に即して正しかったかどうかは第2章以降の物語を見てのお楽しみということになりますね。贔屓の引き倒しにならないことを祈ります。
では、コロナ禍以来止めていた嫁さんへの肩もみとマッサージを再開することとしましょうか…