膨大な量のBLを読んでいると、どうしても作品に対して既視感が生まれてしまうんです。それはこの手のジャンルが多量ゆえに、すでに王道パターンや紋切り型の台詞などが存在しており、それの組み合わせ次第で物語に差異をつけているからだと思われます。(いや、それを含めて私はBLを好き好んでいるのですが)そうなると作品を評価する際、絵の綺麗さやセッk(ryのシーンの盛り上がりだけを見ているような気がします。しかし、貪るようにBLを読み漁っていると定期的にその考えを覆してくれるような作品に出逢います。その一つが本作なのですが。これは面白いですよ。非常に。BLは読む人を選ぶジャンルだとは思うのですが、本作に関しては古今東西の森羅万象とりあえず読みなさい。せめて人間として生まれたならば読みなさい。このレビューを読む暇があるなら、とっとと購入して作者に印税与えて次への作品の契機につながるよう支持しなさい。と口が悪くなってしまうほどには本作はそれだけ価値があると思います。もちろん賛否両論はあるでしょう。けれど、読まなければ面白いとも面白くないともわかりません。作品を評価するのはその作品を読んでからです。面白ければ万々歳。面白くなければそれは私の責任ではありません。作者の責任でもありません。上手い謳い文句に騙されて買ったあなたの責任です。(まあ、誰の責任でもないと思いますが)とりあえず読め、バカタレども。