先生の作品は3作目で、明るいキャラと独特の世界観に溢れるコメディタッチな笑いが大好きです。今回もよくある【記憶喪失】設定を面白おかしく味付けしてあって笑えました。初っ端の事件・事故風な書き出しに、あろう事か「え?今回は真面目なお話?」などと、ギャグを要求する気満々で失礼な事を考えたりしましたが、いつものラブコメ方面へ軌道修正されて妙に安堵しました。途中から、事件風な始まり方にもちゃんと意味があって朝陽の「マジか」というセリフが何なのか…読者も一緒に推理しつつ読み進める、恋愛推理小説という感じでした。出だしから「んな、アホな」と思いながら軽いノリで読み進め、終盤の「ラッキースケベは運命だ」には若干引きましたけど、大筋の流れは何となく分かっていても楽しかったです。愛すべきおバカキャラの朝陽と仏のような檀(まゆみ)の対比が良かったです。