のんびりゆったり静かに暮らす薬師ナギの所へ癒しを求めてやって来る王弟殿下のお話で、タイトル通り溺愛ラブストーリーかと思いましたが、それだけではなくてナギと王弟の特性を活かした設定・展開で一冊完結としては凝った内容だったと思います。ナギ以外の誰もが精霊の加護持ちという設定は、内心「そんな重要でも必要でもないような気が…」していましたが、意外にも最後まで絡んできて小さくない影響があったので、よく考えられているなと感心しました。こういう溺愛系は、BLでも少女漫画にありがちな守られ系ヒロインが多い気がしますが、大人しく待つだけ・守られるばっかりな受け身キャラではなく、言いつけを守らずに追いかけていくとか元気があって良いと思いました。王弟もスパダリキャラではなくて、めっぽうストレスに弱い所が攻めだけど守ってあげたい気持ちが掻き立てられるし、イレギュラーな感じが個人的にツボでした。