大富豪マルヴァニー家の兄弟たちはサイコパスです。
そんな彼らが、本来持たないはずの「誰かを大切に思う気持ち」に戸惑い、少しずつ変化していく姿が印象的でした。単なる恋の物語というよりも、人間らしさを獲得していく成長の物語として読むことができました。
相手を理解したい、守りたい、失いたくない―そんな感情が芽生えるたび、彼らが少しずつ温度を持っていくように感じられました。決して普通の恋愛ではありませんが、だからこそ変化の一つ一つが鮮烈で、気付けば彼らの行く末を見守りたくなっていました。
ダークな世界観の中にも確かな愛情と救いがあり、読み終えたあとには不思議な満足感と余韻が残るシリーズでした。