BLとしちゃ地味だけれどその分、二人の関係のゆっくりながら着実に親しさの意味が変わるところを、感じて、じっくりと読める。
感情の自覚の時期が早いほうは自然な流れとして自分に戸惑い、振り払おうとし、それでも抗えない。そこに時期重なる自分の環境変化。特に家って、子どもは逃げきれない。
波を渡りながらも段々といい感じになっていく、そして落ち着いていく。そんな穏やかで、相手を理解していく時間の長さが、友だちからそれ以上にしていったんだ、と伝わる。
「オーレオール」の言葉の綴りが出ていたので意味を調べてみた。「(殉教者などに与えられる)報賞、栄冠、栄光、後光、光輪、光輝」。英語がまず出ていたが、発音をカナ表記しようとするとフランス語やドイツ語でならオーレオール。
「おかえり」が結び付いてのこのタイトル、わかったようなわからない感じ。
どっちも相手にとってはそうと言える気がするし、やたら大上段に構えた印象も。
BLというと性的描写がものすごいのが多いが、これは出てこない為、レビューを絶対入れとこうと思った。
激しさだとか甘さだとか、始終キュンキュンだとか、そっちでは全然なく、こういうカップルの成り立ちで僕たちは今日に至っております的な、どこかから無作為に拾い上げたケース、という感じ。だからこそそのささやかな日々の積み重ねに価値が有ります、と胸を張って示されたように思う。
お出かけ先、魚類の絵が迫ってきていい!