ネタバレ・感想ありめまいのレビュー

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蜃気楼の先に見えるもの
ネタバレ
2024年12月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小学生の頃、山にぐるりと囲まれた町で生まれ育った自分には、山の先にまだ世界が続いているなんて思ってもいなかった。世界の広さを知らなかった頃の自分は怖い物知らずで、無邪気に笑っていられたのを、今では記憶とも言えないくらいの朧げな手触りだけが残ってる。だからなのか、哲雄が幸太郎を選んだ気持が分かるような気がした。
結末を知ると、あの逃避行は破滅へ向かうものではなかったし、哲雄が現実を迎え入れるまでの猶予、最後の青春を一番自分が輝いていた頃を知ってる友達と味わうための時間に私は思えた。
父親殺しが少年時代からの脱却的な表現がよくあるけど、強制的に親離れをさせられた哲雄。最後の寄す処が幸太郎との時間。しかしもう戻れない世界に哲雄は行ってしまったのかもしれない。追い打ちが幸太郎が犯した罪だった。両親のことも含めて自分が手を下したものではないからこそ、コントロールの利かない同仕様もない絶望に、哲雄は自分だけが抱えて消え去ろうとした。が、それも叶わない。
幸太郎よ、お前はどんな未来を生きるんだ。お前がもう戻れない過去はどんな景色か。蜃気楼のように見えるものはないか?
行間が読めません
ネタバレ
2024年11月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何度読み返しても結末がわからない。もしかしたらこうかも。違うかも。何度も考えてしまう。てっちゃんが犯人でなければ警察に届ければ普通によかったのでは?「逃げてくれ」とは?試していたのか?
途中荷物盗ろうとした幸太郎は◯しちゃったって事だよね。それもかぶっての飛び降りをした?
幸太郎の行動は謎が多い。刃物で脅されてとか被害者ぶったり、てっちゃんの両親の真犯人が見つかった時、球技大会の話を呑気にしてたり(もっとてっちゃんの事悲しむものじゃないの?)私はこの幸太郎がおかしくてしょうがない。
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うわわわわわっ
2024年5月27日
レビューと試し読みで購入。なんという読後感、、、古い作品なので絵柄もなんだかおや?となりますが、それ含めての空気感が、、、。どうすればいいかわからないので、もう一度みなさんのレビュー拝読。だめだ、ただただ苦しい。夏の空気のイメージがまとわりついて離れない
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うう…
ネタバレ
2023年5月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。短編なのにものすごい衝撃…
理由も分からないし、結末もはっきりしないけど、てっちゃんの気持ちが哀しかったです。残された幸太郎が心配。
ボタンのかけ違いのような青春のあやまち
ネタバレ
2023年5月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 子供の時の優劣は、大人になったら全く通用しない。だからこそいつまでも昔にしがみついて現実を否定したい時があるのかもしれない。短編なのに奥行きが深い。BLなのにラブはない。ただただ青春のあやまちがクローズアップされて終わる終わり方にこちらが目眩を起こしそう。幸太郎はこれから生地獄を味わうだろうよ、きっと。
かなりの問題作
ネタバレ
2023年4月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ フォローしているレビュアー様のレビューから、ずっと気になっていた作品。現在半額セール中です。5/11まで。

【以下、完全にネタバレしてます。この作品はネタバレを読まないほうがいいので、未読の方はご注意ください】

たぶんこの短編の最大の謎は、なぜてっちゃんは本当のことを言わなかったのか…だと思う。
そこがこの物語の最高に気持ち悪いところで、疑問に明確な答えはなく、読後、いつまでも苦く残る。

読み方によっていろんな解釈ができると思うけど、私は…ずっとてっちゃんは幸太郎が好きだったのかなと思いました。BL的に。

子供の頃は自分を憧れの目で見てくれていた幸太郎だったけど、年月とともに自分は背も高くなくなって、成績も下がっていって。
たくさん他に友達ができて、自分とは疎遠になってしまった幸太郎に、ただ自分だけを見つめてほしかったのかなと。

自分とは全く関係ない事件なのに、一緒に逃げてくれた幸太郎。
「ずっと一緒にいて、お前のために働くよ」と言ってくれる幸太郎に、良心の呵責に耐えられなくなったてっちゃん。。
そうこうしてるうちに幸太郎が大変なことになってしまい、自分のエゴのせいでこんな事態になったことに対して責任を感じたてっちゃんは、最後の選択をしたのかな……と。

あとからその事実に気が付いた幸太郎の、物語の残酷さが私にはツボでした。
幕をスパッと切り落とす、落とし方が鮮やか。
苦く、苦しく、切ない思いが余韻で残る。
本当に一度読んだら忘れられない、見事な短編だと思いました。
「なぜだ!」…何なんだ…。
2022年11月30日
期せずして読むことになったこの作品。
2周、3周してもこれだという終着点にたどり着きません。
あのセリフは、あのコマの意味は…。
てっちゃんの真意は?幸太郎の表情はどう読み取ればいいのだろう。
私の拙い推測で出たストーリーならば、苦虫を嚙み潰すような、題名のごとくめまいのようにぐわんぐわんとやり切れないエンディングになってしまう。
そこに至るまでのてっちゃんのこともわからない…。
最後の幸太郎は、直前のカットと対照的過ぎてどう捉えればいいのだろう。
結局、わからないんです。

先生の頭の中にはすべての答えが詰まっているのでしょう。
悩ましい、悩ましい。

読んだら最後、ずっと噛み続けていないと気が済まないような作品を読みたい方にお勧めです。

**44ページ**
若さ
2022年8月28日
逃げ場の無い逃避行。
一度読んだら、絶対に記憶に残ってしまう作品ですね。
90年代の漫画の空気感もとても良かったです。

10代、20代をもう一度過ごしたいと思う時があっても、
心底そう思わないのは、若さに潜む息苦しさも知っているからかなと思う。
今なら上手く対処できることも、今なら間違いだと気付けることも、そうでなかった若い頃があったからだとも思う。

想う気持ち、葛藤を抱えきれない未熟な心、純粋さ故の愚かさ。狭い世界で盲目になってしまう。
痛ましいけれど、その年代にしか表せない美しさにグッと心を掴まれました。

「SLOW STARTER」に含まれる作品ですが、クーポン利用してどうしても今読みたくなって購入しました。
「SLOW …」の方も結局読みたくなりました。
夏の終わりに、ピッタリでした。
めまい
2022年12月7日
みんなそれぞれ罪悪感を抱きながらも、やっぱり最後は結局自分のエゴが一番正しいし逆らえない。のかもしれない。色々な角度から考察できる短編作品でした
どうしようもない
2021年8月9日
読んでみたかった短編。クーポンにて購入できました。レビュー難しいです。短編の良さがあって面白かったですが、一方で短編の狡さ?(言葉が的確かわかりませんが、ある意味短編だから成り立つ的な…)があるかなぁと。何かどうしようもない読後感。めまいが、する。どうすりゃよかったんだよ、と叫びたい。
ふむ…😌
ネタバレ
2024年5月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ まぁ…なんというか。一言で言うとすると「青春の残酷さ」になるのかな😔
他の方のレビューを読んで、いつもはネタバレに慎重な私も、自分なりの解釈を残そうと思いました。
試し読みで興味もたれた方は、此処から先はレビューを読まないで、読後に戻ってきてください💦
たぶん、てっちゃんは頭がよろしくない設定なので「両親殺害の状況証拠から、自分が犯人にされていまう」と早合点してしまったのかも。まだDKで、それこそ世間知らずだし、世の中や警察に対しての恐れもあったり。そんなセリフあったし。
てっちゃん、幸太郎に対して引け目や羨ましさや妬ましさ、それに加えて「コイツには自分を羨望の眼差しで見ていて欲しい」って気持ちや「自分が堕ちるなら、自分がこうありたかった存在までをも道連れに…」っていう残酷な思いがあったのかな。「お前は何も悪くない」に、自分の勝手な企みに対する良心の呵責もあったかも。
幸太郎が、てっちゃんの無実を信じてくれたら…違ったかな😔
だけど…幸太郎も残酷だなぁ。両親の遺体を見た幸太郎が、疑いもせずに自分を犯人と決めつけたのが、もう…ね。警察だって、自分が犯人だと決めつけると、てっちゃん思っただろうし😢
幸太郎、てっちゃんには自首を勧めておいて、自分は…
とにかく、苦い内容でした。何の悩みも不自由もなさそうな人が、道を踏み外す時って案外あっけないタイミングなのかな、と思い至りました。「魔が差した」幸太郎が憐れ😩
期待し過ぎたかも
2024年5月27日
レビューが少ないながらも高評価が多かったし価格も安くなっていたので期待大で読みました。レビュー通り独特の世界観でしたがそこまでエモくもなくまた、揺さぶられたり読後に浸ることもなかったです。期待し過ぎたのかも?もしくは私には琴線に触れなかったのか感受性が乏しいからか(笑)
ただ、短編の特徴を活かした読む側の想像力を掻き立てるオープンエンディングは良かったと思います。
てっちゃんは幸太郎に両親の死について一切何も言っていないで幸太郎が勝手に解釈していたか、てっちゃんが嘘をついたかでも変わるなと私は読みました。
最後の嘘の結末も、てっちゃんが幸太郎にそう遺言していたのか保身の為の幸太郎の嘘なのかでも変わるし、てっちゃんが犯人ではないとわかった事件はどちらなのかでも倒れた原因が変わります。ですがどの解釈でもてっちゃんが孤独で寂しかったというのが救われないですね…。読み手の想像力に任せて創造させるというのはとても好みで楽しく読ませてもらえましたが、手法が良いというだけで少し物足りなさが否めなかったです。
ですが、高評価になるのは納得です。
解りづらい
2020年9月5日
話の内容は解ったが、何か解りづらい。読んだら分かると思うが。もっと最後、驚く様な表現だったら面白いのに、中途半端て感じ。すっごく惜しい。
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作家名: 田中鈴木
ジャンル: BLマンガ
出版社: 大都社/秋水社
雑誌: BL宣言