オメガバースプロジェクトのオメガバはひと味違いますね〜。
オメガバ設定を斜め上から攻略してくる。
およそ可愛い絵柄からは想像もできない展開で楽しませてくださいました。
エロくてキュンキュンしながら読んでいたはずなのに、気づいたら謎に巻き込まれ、どんでん返しを経て重苦しいダーク路線に乗っかっていました。
今作品300ページもありまして、3回目の再読にも関わらず今回も読み応えあったな〜と感じています。
読後、ハピエンかメリバかバッドエンドかは、読者がどう感じどう思ったかで決まる作品だと思います。
言わばオープンエンディングでしょうか?
オープンエンディングを好む層は少ないと感じていますが、(投げっぱなしかい!とか、そんで何が言いたいの?とか低評価に繋がりやすい)、私は大好きです。
特にゾクゾクしながら引いて終わるのが一番好きかもです。
今作は好まれにくいエンディングなのに、高評価を付けている読者が多いです。
それだけ物語として楽しめる勢いがあり、秀逸な語り口なのだと思いました。
あとオメガバなのでαとΩのお話のはずなのですが、ここの語り方・使い方をぜひ読んでご確認頂きたいです。
オメガバースプロジェクトなので「全員が妊娠できる世界」である事を意識してしまいました。
そしてたしかにオメガバでなくては成立しないお話なのですが、もっと違うところでの感動でした。
第1話から最終話まではキャラの心情に寄り添って入り込んで読んでいたのですが、ラストの“カーテンコールのその後で”を読み終えた時、確実にこの世界から隔離された一読者に戻されていたのも(輪の外から眺めていただけだった)、ゾォ〜っとしました。
修正は大きめの白ボカシでした。