大学で同じゼミのクローゼットゲイ黒木×オープンゲイ黄海というカップリング。黄海はタチですが、トラブルを黒木に助けてもらった際に抱かれてしまい、それからネコに目覚めて黒木に抱いてもらうようになります。そこから二人がくっくつまでのお話です。
クローゼットとオープンの違いだけでなく、黄海のカラッとした性格と黒木のジメッとした?性格、頭空っぽそうなところと冷静沈着なところなど、二人の対比がしっかりとしてて、キャラクターが立っていました。しっけ先生の作品は、いずれもキャラがしっかりしてるんですよね。キャラで読ませる作品だと思います。なので、このキャラにハマれば楽しめるかと。
私はもうひと押し、ストーリーが楽しみたかったです。黄海がメス堕ちするのも早いし、黄海から見た(今までの好みとは真逆の)黒木の魅力がいまいち分からなかったし、黒木は黄海を嫌っていたのに好きになる過程が不明だしで、若干の消化不良感があります。二人の葛藤や、性格が違いすぎてすれ違ったり、オープンとクローゼットの差違に悩んだりするところが見たかったと思いました。
あと、絵が綺麗すぎて、勢いで読むには画面が淡白なのですよね。キャラも絵柄もぶれない素晴らしい描写力だとは思うのですが…いつかしっけ先生の、淡々と進むような静かな話を読んでみたいです。