黒味多い絵柄が不思議と合う。
最後に収録の成田編エピソードは、聡実の巻き込まれ事故的出会いを彷彿とさせられて、成り行きと誰かの思い付きで始まる人生の道が現れたみたいに感じ、そして、交錯があったんだなぁと思った。
キャラクター達の眉毛の形状を見ながら、このジワッと可笑しい話が、終わったと思ったらまたフッと出くわす様な、そんな展開に微妙に平凡さと個性を配合するクセ付けしているものだよなぁと、私的には納得が行った。
鬼才和山先生のユニークさが随所にあって、全1巻とはサイズも手頃。ウェッティーに過ぎないよう広がる聡実周りの世界と、成田の世界をぎょっとする程パックリ見せてくる一種の驚かせが持ってる異世界感。日常とあっちの間に、まるでドアひとつで面対称的にあってしかも、距離は保たれてる。その距離感が、容易くカラオケと合唱とで漫画の中での奇跡的な接点のようにして共存してる、一種のシュールさ。キャラの強さを後押しする言葉説明が、環境描写を味付け、効率よく和山先生ワールドに引っ張り込んでくれるので、自分の日常と切り離されて、嫌なことも忘れさせてくれるような作品。面白いところを突いて来られたと感じた。印象的な名前もエピが披露されて、いろいろ演出(旗とか)も可笑しい。