表題作の「読めちゃう指先」全3話+スピンオフ「読めちゃう眼差」全3話+描き下ろしでボリュームたっぷり242ページです。表題作はゲイ向け出張ホストのシバさん×ハグされたいリーマンのウィル、スピンオフはゲイが嫌いなノンケの加瀬×ウィルの同僚で傷心中のゲイ・千里がメインです。それぞれのお話は3話ずつしかないんですが、両方のお話に繋がりがあるので、メインCPは変わるものの一続きの長いお話のような感じでとても読み応えがありました。
まず表題作は、両親が海外に移住し愛情に飢えたウィルが、癒やしを求めてゲイ向け出張ホストのシバさんを呼んだら、心身共に癒やされてしまって…というストーリー。シバさんのお得意カードリーディングを上手く使った展開がユニークで面白かったです。良かったんですが、個人的に身長180センチの大柄なウィルが「甘えた」な設定にイマイチ萌えを感じられず…。大柄なのに実は甘えたで可愛い!とギャップを受け入れられる方にはハマる設定だと思います。
後半は、元カレとの別れからノンケにトラウマを持ってしまった千里が、副業で務めるバーで加瀬と出会い、傷ついた過去から一歩踏み出していくというストーリー。千里はウィルの同僚でもあり、またバーの店長はシバさんなので前半のお話のメイン二人も度々登場します。千里は最初は復讐目的だったものの、徐々に加瀬に惹かれる心情が丁寧に描かれていてとても良かったです。加瀬も真面目で裏表がなく、千里も加瀬も人間的に好感が持てました。どちらかと言えばこちらのCPの方が好みでした。