今年の締めくくりにと読みました。伏線や読者が自然と感じるような違和感が、想像もつかないストーリーを創り上げてきて感嘆しました。この1冊にいろんな要素盛り沢山ですが、散らばることなくまとまっていて、多くのメッセージが伝わってきます。いろんな人に読んでもらいたいお話、おすすめです。個人的には、こどもが純粋に健気に行動を起こすシーンに本当に弱いので、久しぶりに涙が出ました。伊吹の母親のことは自分の経験とも重なってかなり刺さりました。正解のないことなのでいくら考えてもわからないし、振り返るたびに都度折り合いをつけていくしかない、結構しんどいことをひとりで抱えている伊吹に、それぞれいい出会いがあって、心が守られてきて良かった。香澄さんも佑真も芯のある温かい人で、素敵な家族のかたちに感動しました。