絵の美しさに惹かれて読み始めましたが、この作品は決して「美しい」で終わりません。台詞の少なさ、視線や沈黙の間に込められた感情が、読み進めるほど静かに心を削ってきます。関係性は甘くも優しくもなく、むしろ歪みや執着が積み重なっていく過程が丁寧に描かれていて、読後に残るのは余韻というより重さでした。色気は確かにありますが、それ以上に心理描写が濃く、感情を直視させられる感覚が強いです。一度読んだだけでは消化しきれず、ふとした瞬間に思い返してしまう作品だと思います。
※向いていない人:軽く癒されたい人、明るい恋愛を求めている人には正直おすすめしません。
美しさに包まれているはずなのに、なぜか心だけが傷ついたまま残ります。