映画を観ているような気分にさせてくれる、登場人物の内面まで切り取られた美しい作品でした。始まりこそ受けくんの酔いに乗じたセ/ックスですが、それからは不器用で完璧でないふたりの心が近づいていく様子が、西本先生の美しい絵柄で丁寧に切り取られています。受けくんの彼女が出てくるのと、(もちろん彼女との関係性にそもそもの問題があったことはあれど)悪く言ってしまえば受けくんは寝取られているので、地雷の方は要注意。攻めの圧倒的顔面力で毎ページ眼福の嵐でした…!褐色アメリカ帰りの受けもずっと可愛いですし、ふたりの絡み合いや佇まいがところどころ90年代の青春映画っぽさを感じて刺さりました。個人的に、創作者がミューズに出会い才能を開花させる瞬間、というのが好きなので同じ癖をお持ちの方にはぜひ読んでほしい。西本先生作品は何作か読んでいるのですが、一番好きな作品です!帰国後のふたりのそれからも、また読みたいです。