翔太と陽。
サッカーと弟とのコンプレックスの翔太。
兄へのコンプレックスとゲイへの後ろめたさの陽。
全くタイプの違う2人が友達になり、お互いが抱える若者らしい悩みを絡ませながら、恋心を描いてあります。
起承転結。
起で出会い、承で仲良くなっていく中でお互いの揺れがあり、転で自らを変えようと盛り上がって結にいくかと思いきや、2人の転が交互にゆっくりと描かれてあり、思いをぶつけてもじっくりと考える時間を与え、2人の思いに迷いやかげりがなくなるまで己の気持ちに向き合せています。
それを読み手には、さほど焦ったく思わせないし、これだけ丁寧に向き合えた2人の未来には幸せしかないなと思えました。
あと、陽と翔太の親友の女の子とのやり取りがすごく好きです。
陽の元家庭教師の人も幸せになってほしいな。
最後の最後に出てくる彼の考えは理解できるし、痛みを忘れずに生きてはほしいけど、悪いことはやっぱりちゃんと謝れよとは思いますかね。
いいように表現はしてるけど、結局は自分の弱さと向き合う勇気ないだけじゃん。子供だから仕方ないけど、大人になってもう一回再会して心から謝ってほしいな。