外務省勤務のエリート・朝比奈×警視庁勤務で出世を狙う蘇芳のお話で、表題作のみ全7話+描き下ろしで合計212ページ。ゲイバレはご法度だけど絶対バレない都合の良い相手は欲しい蘇芳。ある日自分と同じ立場の官僚である朝比奈と出会って…というお話です。作者さんの作品購入はこれが4作目なんですが、一番好きなお話かも!エリート同士の攻防がどんなものになるか、シーモアさんの作品紹介文を読むだけでもワクワクします。二人のテンポ良い攻防に加えて、適度にエロもあり、ストーリーもしっかりしていたと思います。蘇芳が出世に命をかける理由も、コミカル路線に持っていくと見せかけて、最後に明かされる本当の理由はズシンと重かったり、蛭川参事官と朝比奈の接触にも裏があったり。程よく張られた伏線が上手く回収されていて読み応えがある上に、きちんと根本となる問題も上手く解決されて読後感も良かったです。お話の上手さに加えて、今回は攻め受けともにビジュアルも良かった。特に攻めの朝比奈が、黒髪ツーブロックにダークスーツをシュッと着こなす感じ、すんごい好みでした。基本的に柔らかい物腰なのに、ちょっと雄みがあり色気があるのも良かったし、しかも年下攻めという。敬語で攻める年下が嫌いな人いないはず!誕生日プレゼントにバイ/ブはちょっと引きました(笑)が、二人のバランスがとても良かったです。全然本文とは関係ないですが、各話に小タイトルみたいなのがついていて、「美味しそうに咥えてますよ、一番奥まで…」とか、なんか安いAVの煽り文みたいでちょっと笑えました。