育ての親と子がお互いを想いあいながら成長していくお話。
お話が始まるのはお互いに一線を超えるところから。いきなりのこの始まりからどこへ向かっていくのだろうと思いました。最初の方は実の父親の登場や異常な執着などなかなかに衝撃的でしたが、途中からはありがちなお邪魔虫の登場パターンでちょっと中だるみした感じがありました。また、そのありがちな展開がTLとしては予想以上に長く、挫折しそうになりました。
しかし、お話の終盤になるにつれいい具合に展開もスピードアップし最後は感動して涙が出る程に。そして振り返ってみると、中だるみしそうになったあの時間も小春には必要な内容で、少女から一人の女性になるまでの成長物語だったなと感じました。
ただやはり、この作品は長すぎるのが一つの問題であることは確かで、その間に読むのをやめてしまう人がいるのも気持ちが分かります。というのも、亮司と離れた後の小春の行動がとにかく女々しくてズルい女の典型だから。大好きな亮司の言葉より当て馬女の言葉を判断基準にして離れると決めたり、猛の優しさに絆され受け入れるものの愛そうと努力する姿は口だけだったり。独り立ちしなければ成長が見込めないのは目に見えて明らかなのに、実際そうなるまでに多くの人を傷つけてしまったり。一度心を決めてもブレブレな態度の繰り返しにうんざりしてしまう場面が多かったのは、リアルといえばリアルなんですが、読者としてはつらいところでした。
とはいえ、最後まで読んでみると途中のモヤモヤを吹き飛ばすくらいの感動に出会える作品。えちシーンも多めでキレイなので、ぜひ最後まで読んでほしいです。