友人に対する独占欲が友情なのか愛情なのか難しい、相手の好意に甘えてしまった結果無意識に相手を蔑ろに…みたいな、そういう恋愛における細かなちぐはぐを拡大して描いている繊細な作品でした。設定や流れとしては王道でも、その解決方法やアプローチ方法が新しく、「そっか、こんな考え方も確かに理にかなってるな」と新しい観点を得られる不思議な体験でした。また、サラッと描かれているけど梅山の八鳥に対する形容しがたい心情もあってバランスの取れた作品だなと。王道設定でもそういう意味ではすごく珍しい系統のBLだと思います。また、登場人物の表情の描き方がすごく好きで、表情自体を1枚でドカンと描くというより、表情の動きを描いてくれるのがよりリアルに心臓がぎゅっとなりました。