五巻読了。切りの良さではここで第一部完、と言ったところ。
タイトルから想像するのは探偵ものかもしれないが実際はそうではなく、むしろ推理ゲーム的な駆け引きとトリックを楽しむお仕事物に近い。原作者が『薬屋のひとりごと』を書いた日向夏先生なのでさもありなんと言うところ。
そのトリックをうまく絵に落としてカットやコマ割りを考慮した漫画としてあり、キャラクターの表情や動きにトリックを違和感なく落とし込んでいる。絵にやや癖はあるが、なかなか巧みな漫画家さんである。
キャラクターはどのキャラクターも上手に描かれており、どのキャラクターにもいろいろな面があることを上手に隠してストーリーは展開。かってあった殺人事件に多くの人物が関わる中で主人公が洞察力を発揮して…という流れ。
嘘が通じない、というタイトルにやや誤解されがちだが、主人公はあくまでも洞察力で違和感を見つけていくという形で騙されないというわけではない。そして騙した方も巧みに『嘘をついていない』のがこのトリック物のだいご味。それを上手に漫画にした作品で、後から「そういえば、呼び方違ってたな~」とか、「あれはそういう意味だったか」と気付かされる。
推理ものではなくトリックサスペンスに近い作品なので、合わない人には合わない。特に単純すっきりはい解決! という作品を望んでいる人にはお勧めしがたい。
半面、トリックを探しながら読むことを楽しめる人や、作者様からの挑戦状受け取った! というスタンスで読める人には楽しめる作品だろうと思う。私はそっち側の人間なので十分に楽しめた。
五巻第一部完結までしっかり楽しく描き切っていただけたことも含めて、現時点で★5。第二部にも大いに期待したい。