「春うらら好色男の宿」の続編。いきなりこの作品から読むのはかなり難しいと思う。未読の方は「春うらら…」から読むのをオススメします。
前の作品ではあんなにつかみどころがなく、どこか完全にぶっ壊れていた藤男が…来る者拒まず去る者追わずの藤男が…すごくまともに来るものを拒んで去る者を追っている…っ!(感涙)
最初の頃の、得体のしれない不気味な印象からずいぶん遠くに来たけれど、その人間臭さがとても愛おしかったです。
流れるように進むストーリー、温かく、血の通った人間模様――
akabeko先生の作品には容赦なくハードな作品もあるけれど、すべての作品に人間に対する優しさと温かさがあるところが好き。
今回は前の作品とは一転して、明るく温かい幸せの波が何度も打ち寄せる感じで終始ほっこり。温泉でゆっくりしてきたみたいに癒やされました。
くすっと笑えてサクサク読める、安心安定のakabeko作品…オススメです。