歴史ジャンルでお目にかかった作品。昭和初期が舞台ということ、そして何より試し読みで作者様の画力の高さに一目惚れ。どうして今まで存じ上げなかったのか…。
時代は昭和8年、東京。幽霊画ばかりを描いている内海は、才能がありながらも売れない画家。
家賃の当てもなく、とうとう居候先を追い出されそうになった時、彼は金銭のため苦渋の判断で絵の贋作制作を決意。撫子と杏子、二人の少女の協力を得ながら“罪”に手を染めていく。
他のレビュアー様も皆様書かれていますが、何しろ作画が素晴らしいです。ページを開いた瞬間から、まさに鬼気迫る感じ。内海の絵への執着の凄まじさを感じます。
そんな中、物語の緩衝材兼癒し効果になっているのが二人の少女・撫子と杏子。内海とともに暮らしています。
撫子は口は悪いですが何しろ健気、杏子は一見ポワンとして見えますが非常に聡い子。
この二人、私はどちらも好きです。彼女らが登場しなかったら読み進めていなかったかも…。それくらいお気に入りのキャラ。何だかんだ言いつつ内海を支えてくれます。
この物語、一体どのような結末を迎えることになるのか。ハッピーエンドなのか、はたまたバッドエンドなのか…。