「ただいま、おかえり」シリーズ第5弾、松祐の恋の進展と真生と弘の過去話の2本立てです。
4作目でお互いが特別な存在だと認識しあった松尾と祐樹。とはいえ、祐樹は松尾に対しての好きという気持ちがよく分からなかった感じでしたが、今回のお話で好きをきちんと認識し、言葉にして伝えられました。祐樹にとっても、二人の関係性にとっても、とても進歩があったと思います。そして祐樹がそんな風に自分の気持ちに気付けたのもやっぱり松尾の愛と優しさだと感じました。フェロモンでは分からないαとβだけど、普段から祐樹をきちんと見てくれていることがちゃんと祐樹に伝わり関係を前進させたのだと思うと、松尾の愛情の大きさが私たち読者にもよく伝わりました。祐樹の癖も小さな変化も見逃さずに掬い上げてくれる松尾の包容力にとてもドキドキしたし、キュンキュンしました。松尾と祐樹の恋の進展が本当に楽しみです。
後半は真生と弘の過去話。といっても、結婚を決めた時のお話でした。もちろん、周囲の反対もあったし、真生の覚悟も決まっていなかったから、このお話だけでもとてもドラマチックなんですが、私が読みたいと求めているのは出会った当初のお話です。運命の相手と突然出会い、どのように恋人になったのかが知りたい。二人の過去も徐々に解明されていくのかなとは思うけど、また待ちぼうけです。シリーズを通して世界が広がっていくと色々なところが気になります。今後も楽しみが続くと思って、続編を待ちたいと思います。