高校生の夏といえば高2が多いですが、高3、それも工業高校のため就職するかどうかという選択肢もあり、将来への不安が横たわっています。
そんな中で、親友から恋人に、お試し期間を通して変化していくのが、青春模様とあいまって爽やかで透明感のあるものでした。
この作者さんは別作品でも同性愛者の葛藤や悩みを等身大に描いていますが、本作でも、時代にあったシリアスすぎない、周囲からの否定というより戸惑いの中で悩む姿が描かれています。それが進路の悩みや親友との違いなどと合わさり、感情の移ろいとしては非常に複雑であるにも関わらず、自然に伝わるように描写されているのがさすがでした。