良い人ぶりたい女性と、思ったことを言わないと気が済まない男性のラブスト。
表紙のメンズが良くて読んだ。やっぱり漫画が上手で読みやすい!紙書籍もあれば人に貸せるのでお願いします。
どちら側の経験もあるから、何となく思う。
主人公は「優しい人だと思われたい」「嫌われたくない」「感謝されたい」「面倒事に巻き込まれたくない」事勿れ主義の人。
彼は「思ったことは言う」「人が言えない事も言う」「本音が正義」「理不尽は許さない」「嫌われることを恐れない」。誰かを攻撃したい訳でも、言って気持ちよくなりたい訳でも、みんなの代弁者でもない。弱い相手や陰でだけ強くなる人とも違う。「思ってるなら言えば?」という価値観で動く人。
どちらが正しいという話ではないけど、主人公が毎回、心の中で「言ってくれてありがと〜!」となるのは少しモヤモヤする。自分では何も言わず、汚れ役を彼に任せて安全な場所から感謝してるだけなんだもん。
作中では嫌われ者だけど、会社を少しずつ変えていくのは彼みたいな人なのかも。主人公は一見、平和を守っているようで、波風を先送りしてるだけにも見える。「言わなければ平和になる」とは思えない。だけど、誰にでも言えない相手や、言えない場面はある。言えない事情がある人もいる。
自分では言えず、誰かが言ってくれるとホッとする。
声を上げる人はリスクを負うことが多い。言うべき事を言っただけなのに面倒な人扱いされたり、クレーマー扱いされることもある。時には暴力の被害を受けることさえある。感謝もされにくい。「言う勇気」は思っている以上にリスクを伴う。
芹沢くんは自分が経験していないことは、分かったふりをしない。見ている景色が違うこともあれば、経験していないから見えないこともある。全ての場面で同じ立場に立てる訳じゃない。勇気を出して声を上げても、芹沢くんに賛同してもらえるとは限らない。
きっと彼は、色んな経験をして「言わないこと」を覚えるし、彼女は「言うこと」を覚えていく。二人で少しずつ、ちょうど良いバランスを見つけていくんだろうな。