巻き添えで異世界に喚び出されたので、世界観無視して和菓子作ります【単話】
和泉杏花/天乃こと
このレビューはネタバレを含みます▼
主人公サユリは日本の和菓子職人の家系で、師匠の祖父から、漸くお客様に自身が作った和菓子を提供する許可を得られた矢先、荒廃した異世界を救う聖女として召喚される。召喚されたのは2人で、サユリは聖女では無いと言われ、一時はその異世界で頼る人も無く放り出されそうになるが、召喚を指揮した公爵に丁寧に保護される。この時点で、勝手に他人を呼び出し、「もう元の世界には帰れませんよ。こちらの世界を救って下さい聖女様。あ、もう1人来てたんだ。まあたまたま巻き添えになっただけで役に立たないから要らないよ。」ってストーリーも多々見る中、「当たり前」の責任を取ると云う人物が居た事はとても嬉しいかったです。更に公爵家の皆様や、公爵家次男にして召喚を指揮し、主人公サユリを初めから大切にしてくれたヒーローの職場の方々も優しくて、虐めだ妬みだのストーリーが多い中、涙が出そうに嬉しいです。しかし何と言っても素晴らしいのは、そう云う優しい人達にただ甘えたり頼ったりするのでは無く、「異世界の自分」と云う現実を受け止め、自分が自分で在る為、そして恩を恩で返す為に、自分の出来る事を最大限に活用して、今迄では無い世界で生きて行く主人公の強さです。それはきっと、和菓子職人としての矜持で、それには日本の家族と過ごした掛け替えの無い日々も在ったから、それがサユリさんと云う人を形造ったのだろうと感じました。