1992年7月から2001年7月までの9年間で完結を迎えた作品。
長編ですが、葛藤など、主人公「ジェルミ」が、「イアン」が、自分自身と闘い、対話し、納得させたり諦めたりの繰り返しが、美しいイギリスのリン・フォレストの森に、ロンドンの公園の景色に、湖に海に星に・・・それらを背景に描かれる為、中弛みする事なく読めました。(6日かかりましたが・・・)
漫画ならではの作画だけの表現が秀逸で、作家さまの力量を改めて感じます。
そして、登場人物の配置が巧みで、作品の前半に後半に、無駄な人物がおらず、全ての人が物語に絡んできます。
物語の時代設定の明確な時期はわかりませんが、20世紀の終わりがけの作品を発表された頃や、ましてや少女漫画での表現は余りにも前衛すぎて、私自身は、読んだのが今で良かったと、理解の度合いなども含めて、思います。
この作品のテーマは、現在の日本でも数多ニュースを騒がせる事件に相似性を感じさせるもので、子供は、親の又は大人の犠牲になっては絶対にいけない!と強く思います。
物語の表題にある「神」が何であるのか、作家さまの真骨頂、読者に考えさせる・・・という手法は、こちらでも健在でした。