西田さんの作品はやっぱり面白い。
主人公たちの人間味溢れる描写がうまいです。
西田さんの作品は、
片方が型にはまらない奔放な性格だったり、社会からはみ出たヤクザだったり、
もう片方がマジメな堅物だったり、お堅い(公務員とか士業系の)職業だったりと、
対比したカップルが多いのですが、
前者がなんていうか他人や型に囚われず自由に生きてる男の魅力を振りまくんですよ。
それが、社会人という枠の中で自制して生きてきたもう片方の気持ちを揺さぶるんですね。
その時の心情表現や、反応、行動の描写がうまくて、わくわくしながら物語に入り込んじゃう。
そして両方とも、内に秘める強い意志を感じさせるシーンが出てくるんですけど、
その時の顔がなんともいえない男の魅力があるんです。
ここが西田さんの作品の真骨頂じゃないかと。
今回もキャラが "そこにいる" 描写が、生活感溢れる細かいところの描写も含めて、みごとでした。
総204ページ。