10年前の作品ですし、内容については、これはもう好みの問題かと思います。作家さん推しの方には楽しめるのではないかと。全体的にゆるっとふわっと、若干チャラっとした雰囲気がとても好みでした。何だろう…決して好感度が高いわけではないのに嫌悪感は湧かない、不思議な空気感がありました。
あと、享と悠真それぞれの友達の存在(特に山田)が、本当にいい味出してて笑えました。山田の毎回の捨て台詞が面白いし、毎回ステップアップしていってる感じがするしで楽しかったです。
悠真を見ていると「バカな子ほど可愛い(ただし人間以外)」と思えました。人の子だったらイラッとしそうですけど、ペットの犬だったら可愛いだろうなと思います。自分の尻尾を追いかけてクルクル回るみたいな、そんな微笑ましさがありました。
それから、内容には全然関係ないところで、猫の名前「ハチコ」が地味に気になったまま最後まで読んで、ハチコの出番のラストで「ハチワレだから、そしてメスだから子を付けて「ハチコ」か!!」と、スッキリしました。ふんわり楽しい作品でした。