195ページ、1冊表題作。
良かったです。
少し切ない、静かな小説を読んだような読後感。
大正時代の家柄や震災を背景に、言葉使いやラムネのビー球など味のあるお話でした。
結納や内縁という女性関係も当時としては有り得そうなお話で、リアリティーがあって面白かったです。
ただ後半、期待した盛り上がりにならなかったのが、肩透かしというか、残念。
だからこそ淡々とした独特の余韻が残って、これで良いのかもですが。。
200弱あるし、ページが足りなかったのだろうか?、
ああいう展開を迎え、たとえページ数が増え、2巻になっても、経過を丁寧に描いてくれたら前半の起承も活きて、もっとお話の魅力が増しただろうにと思う。
葛藤の末の2人の幸せが、足りない。
女性との展開も、もう少し納得行く形で欲しかった。
(そのあたり、少ないページでの女性の話は、BLに共通する難しさなのかも?)
そうはいってもラストの数ページは、すごく良いです。
映画のラストシーンのよう。
盛り上がりに欠けた展開が引き金になって、余韻が強いです。
お話星4,5ですが、雰囲気と2人の葛藤が良かったので、応援を込め盛って星5。
ストーリー重視の方には、激オススメ。
ラブラブを期待する方には、ちと足らんかも?