「酷くしないで」のスピンオフ。
真矢の従兄弟の小鳥遊彰と、同大で医学生の縞川です。
「酷くしないで」を読んでからぜひこちらも読んでもらいたいのですが、なんせ2013年の作品で11巻も出ているので手が出しにくいかもしれません。
酷くしないでは、1巻からしばらくは絵の感じも少し古さを感じるのですが、徐々に変化していって(まるっきり変わるわけでも、悪くなるわけでもありませんよー)とても良くなっているので、割引きのときなどにまとめ買いおすすめします。
ねこ田米蔵先生の作品で、「酷くしないで」が一番好きです。BLにハマったきっかけの作品でもあります。
まずキャラがしっかりと作られていて、一人一人の個性が光っています。真矢、彰、縞川さんなど、3人ともイケメン秀才なんだけど、それぞれの得意分野が違い、性格も全く違います。
そこに何巻先まで話を考えてあるんだろ?と思うくらいに、きれいに伏線があり回収されていきます。
話の流れが切れることなく自然で、キャラ達も年齢を重ねて成長していってます。
2人の付き合いだけではなく、周りの環境にも影響されてそれぞれが変化していく手腕はお見事としか言いようがないです。
絵もキレイだし、背景や細かい描写も丁寧だけど、シンプルな背景を使われるバランスもとてもよくて、マンガとしての完成度がとても高くて、何度も何度も読み返しています。
その「酷くしないで」にでてくる彰と縞川先輩のやり取りの続きを、こちらのスピンオフではたっぷりと味わえます。ほんとに本作からスムーズにこちらの話に繋がっていきますが、こちらのスピンオフだけを読んでも、2人のキャラを楽しめるとは思えます。ですが、やはり酷くしないでを読んで、あの後どうなったかな?と思うシーンがきっちりと描いてある満足感は半端ないです。
酷くしないでのシーンをしつこく被せてはいなくて、ほんとに流れるようにスムーズに話に入り込めるように描いてあります。
この作者さんは頭の回転がすごく良い方なんだろうなと思っています。あとBLといえばエチの見せ方だと思うのですが、モロ見えに近くすごくエロいのですが、下品さは皆無でとてもとてもきれいな情事でございます。
あぁ、みんなに読んでほしい!
日常の同性の恋愛が描いてあり、読むとじんわりと幸せが味わえます!