みちみちなるままに
」のレビュー

みちみちなるままに

じゃのめ

どちらにも共感が難しいお話でした

ネタバレ
2021年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めてのじゃのめ先生の作品でした。まず、皆さん仰るようにとても魅力的な構図や動きを感じる描写が素晴らしいと思いました。表紙絵や各話の扉にも複数のメッセージを感じます。ただ私には感情移入が難しいお話で、キーワードになる「言った事は忘れても言われた事は忘れない」に分かりやすい共感はあるんですが、どちらのキャラも自分本位が目立って魅力を見出せず、最初に感じるモヤッとしたものを最後まで巻き返せるエピソードが出てきませんでした。
武田があまりにも辛すぎる、リンチされ親も呼ばれるエピソードも、長内のあの一言があると親も学校側も巻き込むかなりな大事になり人物だって特定するはず。でもお母さんの口ぶりには過去そんな事があったようには見えず、ただ心の傷を作る為に切り取られたエピソードに見えてしまい話しに入り込めませんでした。
他の方も書かれていましたが武田はきちんと「ごめんなさい」が言えてますが長内はないんですよね。長内の心にあった葛藤や持て余す感情もわかりますが、当時は出来ずとも現在のあの対応は・・とそこも巻き返せなかったポイントです。2人が幸せならそれが1番だし、2人を過去悩ませた「絵」が2人を現在で再び繋ぎ、この先の未来にも2人の傍にずっとあるのだろうと思える描き方は好きでした。今回は私には合わず残念でしたがまた違う先生の作品も読んでみたいと思います!
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