ダズリン スマイリードッグ
」のレビュー

ダズリン スマイリードッグ

酒渼ゆづ子

いま、この時に会えて、よかった

2021年7月17日
フォローしている方のレビュー冒頭の「まっさらで読みたい方はレビュー読まずにどうぞ」の言葉にフラッと心惹かれ、そのままレビューも作品紹介も見ずに読みました。そして改めて先の「予想を全て覆されて泣けた」というレビュータイトルの言葉が沁みました。

先日まで看病が続き、そこに暑さ疲れも重なって熱を出し2日ほど寝込んでいる間、うつらうつらしている合間合間に、兄も父も亡くなって昔からの自分を知ってくれているのはもう母しかいないんだなぁ、とぼんやり考えていたところだったので、両親と兄弟との関係の割り切れなさや祖父母の慈愛を示すエピソードの幾つかが、思いも掛けない深さで胸に刺さりました。

あるいはもしかしたら、過去のいつかの時点で自分は、同じような過去を持つ主人公たちの同じような話を読んだことがあったかも知れません。それでも、いま、このタイミングで読めたことに勝る感動はないと思いました。

人よりも抜きん出ていなければ愛される資格はないと思い詰めていた魂と、愛されるためには人と同じでなければならないと思い込んでいた2つの魂が出会い、起こした奇跡。

このお話に出会わせてくださったフォローさまに感謝します。
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