春雷と蜜
」のレビュー

春雷と蜜

劣情

色香滴る魅惑的な世界観

2021年7月23日
作者様初コミックスとの事。分冊で1話読んで単行本に纏まるのをすっごく楽しみにしてました。表紙絵や扉絵の艶っぽい色香漂う雰囲気が大好きです。
親に捨てられ施設で暮らす事になるユエンと、同室で兄のような存在のヤン。施設での幼いユエンを襲う残酷な事件から離ればなれになり、ヤンは血生臭い世界に生きるヤクザ(マフィア)に、ユエンは昼は施設で働き夜は別の顔を持つ青年へと変わり再会します。
冒頭の内容から、胸が痛くなるような重めの読み応えを覚悟していましたが、案外ライトな読み心地で安心して読了。面白かったんですが、気になった点が。意図してそうなのかもしれませんが、運命、贖罪、蹂躙、恋情、といった一つ一つのエピソードに対する葛藤が思いの外薄く、え、それでいいの?と思う所が何か所かあったので(特にユエン)、そこがもう少し掘り下げられていたら共感も増え更に良かっただろうなと思います。
とはいえ、作者様の造り上げる作品自体の妖艶で甘美な雰囲気は大好きで、魅せる展開も柔らかそうな丸みを帯びたユエンの身体つきとかエチの体 位やアングルも魅力的で好きでした。次回作も読みたいなと思う作家さんです。ストーリーは☆4ですが、好きな作風なのと今後に期待を込めて☆4.5にします
いいねしたユーザ24人
レビューをシェアしよう!