ふれないでリトルスター【電子限定描き下ろし付き】
」のレビュー

ふれないでリトルスター【電子限定描き下ろし付き】

マミタ

愛しさと優しさに包まれたオメガバース

ネタバレ
2021年7月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ フォローしてる方々皆さん高評価なのが納得!の純粋で一途な想いに包まれた、幸せなオメガバース作品でした。

交通事故でお互い両親を亡くした血の繋がらないαのハルとΩのユキ。ヒートのこない体質のユキはまだ8歳だったハルを引き取り育て、その10年後のハル18歳の誕生日にずっと想いを隠していたハルがユキにキスをして・・と物語が始まります。

お互いが相手の事を何より大切に想っていると感じるその関係性に、彼らの10年の絆を感じます。両親を亡くし、一人ぼっちになったもの同士が乗り越えてきたもの。彼らはきちんと親子だった。その中で10年の間ハルがユキに対して抱く真っ直ぐな揺るぎない恋心を秘めてこられたのは、間違いなく溢れんばかりの深い愛情を10年の間ユキから絶え間なく注がれて育てられたからだろうと思います。

そんな中、迷う間もなく身体を襲う抗えない本能に対する恐怖、二度と同じ事を繰り返したくなくて死に物狂いで耐える性。
ユキの葛藤もハルの堪らない想いも、とても丁寧に描写されていくので、読み手はどちらにも共感しやすいと思います。私はαの抑制剤のくだりが一番胸が痛かった。
隣人でユキの友人のβの洋乃の存在も大きいです。いくらヒートがこないといっても血の繋がらないαとΩの同居で対策があるないでは信用にも関わりますし、2人の大きな支えでもあったと思います。
ラスト、ハルがユキに玄関で言った言葉。じんと胸に沁みました。
何にも縛られない2人を見ることが出来て、とても幸せな読後感でした。読んで良かったです!
フォローしてる方が書かれてた不安定ピコちゃんがすごーく気になってたんですが、確かに最高でした笑
いいねしたユーザ21人
レビューをシェアしよう!