月影
」のレビュー

月影

SHOOWA

カオスなサンドイッチ≒愛のお話

ネタバレ
2021年8月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ フォローしている方々もレビューされている通り、確かに読む順番を考慮した方がどっぷり『月影』の世界に浸れるなぁと思います。一読目はスマホ縦読みで、「終」となる44ページから、続きとなる『逃げ水』157ページまで一気に飛ぶのがよいかもしれません。
廓の前に捨てられ、女郎たちに育てられ、14歳からは自分も男娼として客を取らされるようになった清人の一生のお話。出生と時代に翻弄され、愛した人、愛してくれた人との別ればかりを繰り返し、それでもなお生きた清人。いかに苦しかったか…。それでも、そこに”きらめき”があったと静かに語る清人に私は涙が出ます。最初は、清人の辛くて悲しい別れにばかり涙がこぼれましたが、読み返して、きらめくような愛が清人の中に残っていること、するすると逃げてしまったかのように思えた愛を、苦しさを含みながらもきらめきとして残していけたことに胸が締め付けられました。あー…ダメだー。時々レビュー書きながらも涙出る作品があるのですが、まさにソレです。ということで、おしまい!
作品収録順についてですが、SHOOWA先生ご自身もインタビューで「カオスなサンドイッチ」と仰っています。確かにそうなのですが、他3編もSHOOWA先生の持ち味炸裂には違いないので、表題作+続編の余韻が冷めたら読んでみてほしいです(でも、苦手要素とかはあるかもしれません汗。勧めておいて申し訳ないですが…)。
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