ルックバック
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ルックバック

藤本タツキ

心が撃ち抜かれる

2021年9月5日
昔、漫画を描いていた。何故?って言われると、京本のように自分の漫画の続きを楽しみにしてくれる友達がいたから。あの時の煌めく気持ち、湧き上がる創作の喜び、何か自分の中のドアが開いたような感覚は忘れ難い。今は漫画を描くことを辞めてしまったけれど、ルックバックを読んでその時の気持ちを振り返り、生の感情が溢れて同時に涙が止まらなかった。スポーツに真剣に打ち込んでいた知人はこの作品が全く刺さらなかったようだ。それも良い、大切な価値観の一つだ。だが私みたいに少しでも創作に触れた者にとって、この作品は気持ちの芯を抉られ、熱く震えさせる名作と言えるのではないだろうか。
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