8月のロスタイム
」のレビュー

8月のロスタイム

桃子すいか

「おにぎりソフト」はどこで食べれますか?

ネタバレ
2021年9月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 柔らかい作風のまま、優しくトスンと胸に刺さるものを描いてくださっているなと、再読して、そう感じました。フォローさんのレビューを拝見して読み返してみると、深まるというか、切り口(視点)が興味深くて、ありがたいなと思います。
四季折々の4CPのオムニバス。
▲春:モリモリご飯を頬張るDKとか、それだけでキュンときて、自分のご飯あげたくなっちゃいます。でも、隣のベッドのお兄さんがご飯をあげたい理由はそれじゃなくて…。「悲劇のヒロインになってもいい」というお兄さんの言葉に、自分にはこんなこと言ってくれる人いなかったな…、あのとき、悲劇のヒロインを演じているつもりはなくて、本当に辛かったんだけどな…と思い返して、お兄さんみたいな人がそばにいてくれたら、私もこんなにひねた大人にならなかったかもな~と思ったり…。ふふふ、人のせいにできるくらい図太い大人になっています。
▲夏:この田舎の夏休みの風景がたまらないです。クーラーで冷えた夏じゃなくて、汗ばむ田舎の空気がとてもいい。私も、花火をしながらの「ふつう」が刺さりました。「ふつうを諦めた」と言いながら、「これがおれのふつう」と言う。「ふつう」って何なのだろうって、改めて考えてみています。
▲秋:フォローさんの好みに頷きつつ、叔父と甥という間柄があってこその、嫉妬とはちょっと違う複雑な気持ちに、ニヤニヤしちゃう笑。とても良かったです。あと、感動するとはちょっと違って、不意に涙が出る場面があって、その涙が何なのか分からなかったのですが、追体験かな…と、思いました。
▲冬:このリアル感。愛があっても約束してても、ダメなときはダメだよね…。はぁぁぁぁ…となりましたが、応援したい2人!カーブミラー、本当に素敵でした。作者さんの「急カーブ」裏話の第三者目線には笑っちゃいました。
それぞれのおまけもとっても可愛かったです。あと、リアルに「おにぎりソフト」食べてみたい。刻みのり持参すればいいのかな笑。
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