俺とお前の不可視的事情 【短編】
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俺とお前の不可視的事情 【短編】

遊楽夏

合言葉は「作品紹介はスルーしましょう」

ネタバレ
2021年9月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 頭が痛い。と言っても片頭痛や怪我の後遺症などではなく、この短編(39ページ/180pt)の素晴らしさを人に伝えたくてレビューをしたいのに、難しくて頭を抱えてしまう…という意味で。
なにしろこの作品、設定自体がネタなんです…と書くことまではどうかお許しください。これが例えば、ある人物の発言や才能、性格や持ち物であるとか過去や交友関係であったり、ある出来事が起きた場所や時系列・時間軸、その規模や影響などがネタであるならば、それ以外の要素を書けばいい。
でも、設定って……お話の前提全部ってことですよ。どうしろと…?(いや誰にも何も言われてないし)
短編はあらすじ即ネタバレになるリスクがあるだけでなく、ネタがどの点にあるかによってもレビューが難しいのだと再認識中。あ!作品紹介文はネタバレなのでスルーがお勧めですよ!
以下2文を書くにとどめます。
大学同級生の哲哉(テツヤ)と忠志(タダシ)の間の不可視(invisible)な“事情”は終わったものと終わっていないものがありそう。
そして…同じ題材の作品がひしめく中で、このお話はある似て非なる2つを対比させたことで読む人の心にキラリとしたものを残すと思いました。



(10/6追記)
ム_様
あぁ最高。部屋主がいない時にすることで“あり得ない”のはどっち?と聞かれたら、限りなく10割の人が独り言よりそっちと答えると思うんです。なのに独り言の方に注目されたレビュー…そそられた~(笑)作家目線!参りました(嬉)!
人気BL漫画家が前に対談で話していたことを思い出しました。曰く「自分で持ちうる精一杯の力で描き切り、こんな大変な思いをして結ばれた2人だからもう大丈夫、絶対幸福な未来だと読者に伝わったはず、と思うのに今はそれが通じない。『かも知れないけどその後のイチャイチャを見なきゃ信じられない』とすぐ続編を求められる。これだけ描いても通じないんだ、と愕然とする思いと、1巻分を描くのに如何に準備と時間とエネルギーが必要でツラいことも多いか、それは読者には関係ないでしょうけど、とても簡単にはそんな気持ちになれない」と…。
もしやあれも、名前を呼ぶだけじゃ唐突で足りないと思われないための予防策とか(笑。
告白しあい明らかになる思いと、そこから始まるだろう目に見えない何か(願い?希望?)が2人の今後を明るく照らしますように。
ありがとうございました。これからもレビュー楽しみにしています!
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