向こうの人【電子限定描き下ろし付き】
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向こうの人【電子限定描き下ろし付き】

上野ポテト

BL読んでこんなに消耗したの初めて…

ネタバレ
2021年9月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読み部分の第一話で判る、主人公「まくた」の細かい描写に、読んでいるこっちのいたたまれなさが酷い。同僚の「今はいない」の揶揄、ツイッターでの上から目線の愚痴の数々、アップしてる絵が上手くないとこがまた…。

「エス」こと「なるさや」と対峙する二話以降も緊張感がハンパない。第一話であんな感じだったまくたが対面で楽しい会話が出来るはずもなく。そして、まくた自身にも自分がつまんねー奴だという自覚がある。興奮と戸惑いと劣等感で感情が忙し過ぎる。同時に、芽生えてしまう「芸能人と知り合った俺」という優越感。際立つ小物感。まくたはゲイではない。しかしエスと知り合ったという現実に完全にのぼせ上がっている。わかる、そりゃそうなるわ。
エスが何を考えているのか読み取れない。訳がわからないまま進んでいくまくたとエスの逢瀬の描写の生々しさに、読んでいるこちらがそれをそっくり追体験しているよう。うわもう読んでて変な声でる。疲れる。

これは芸能人と知り合っちゃった俺のドキドキラブストーリー♡などでは全くない…ホラーかな…。ページめくるのが怖いよ。

えっこれに☆5つけるのか?落ち着け私…と感情を二晩寝かせましたが、やっぱりどう考えても☆5つです。
エチは電子限定書き下ろし4コマで。

「向こうの人と」っていう後日談(短編)があって、「向こうの人」ファンのレビューが歓喜の嵐(大げさか)なので、本作が気に入った人は絶対買いだよ!
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