このレビューはネタバレを含みます▼
新刊作者さん買いです。既刊「ヤキモチはきつね色」のスピンオフ。前作で秋葉を襲おうとした狼憑きの大狼のお話で、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計201ページ。ひょんなことから大狼が狼憑きであることが隣人の銀木さんにバレてしまって…という始まり。大狼は、前作で秋葉にちょっかいを掛けようとしていたのであまり良い印象はなかったんですが、本作品ではすごい素直で寂しがりやで可愛かった!体質のせいで人と深く付き合えず寂しい思いをしていた大狼が、ちょっとずつ銀木さんに心を開いていく様子がとても丁寧に描かれていて、感情移入しやすかったと思います。銀木さんだけに心を開いているというか、銀木さんの前だけで本当に寛げるというのが、狼というより何だか猫みたいで可愛い。人間ってそういう安心できる場所って大事なんだなぁと。二人がすれ違う場面は結構すぐに誤解が解けるので、物語的には少しライトな印象ですが、全体の作品イメージ的にはドロドロし過ぎずこれぐらいの拗れ方でちょうど良かったのかも。一見クールで恋を諦めていたような銀木さんにも大事な人ができて良かったです。というか、バイク乗ってる銀木さん、めっちゃ格好良くないですか!?
ちなみにスピン元の二人(ゆくりと秋葉)もちょくちょく登場します。今作だけでも読めなくはないかと思いますが、前作から読んだ方が動物が憑く体質とかについてもより分かるかと思います。