デュオ・ラブ
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デュオ・ラブ

町屋はとこ

共に奏で共に愛す、未来永劫続くDuo 最高!

ネタバレ
2021年10月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 物凄く良かったー!作者様買いだったので詳細見ずに購入してましたが、徐々に深まり募る恋と大好きなピアノとを同時に楽しめるお話で嬉しい!2014年に連載されていた作品らしく、加筆修正が加えられ下巻は全て描き下ろしの電子配信のみ、上下巻あわせて550P超えの大ボリュームというかなりの読み応えでした。
ちょうど先日ショパンコンクールの嬉しいニュースもあって、タイムリーですよね。

数々のコンクール受賞歴を持つ実力派音大生の要。将来音楽で生計を立てたい要が一つの手段として受けたクラシック界の王子というアイドル的オーディションで要に憧れる音大生、明慶とピアノデュオを組むことに。

この2人、性格も育った環境もピアノの技術や感性も恋愛に対する価値観も全て正反対なんですが、真摯にピアノに向き合い、お互いの感性を高め少しずつ2人の音楽が奏でられ成長していく過程が丁寧に描かれていて、グングン伝わってくる演奏シーンの臨場感や高揚感にワクワクしました。
明慶の感情がダイレクトに音にのって感覚で弾くような演奏や、実力派の要の、こうでなければいけない、という概念に縛られない音楽に対する柔軟な貪欲さが見ていて気持ちが良かったです。

肝心な恋愛要素は後半グンと加速しますがこれがまたとっても良かった!
要の価値観が理由があるんですが少し変わっていて、明慶の抱えている恋心を別のものと捉えてしまって、好きの塊みたいに要が全ての中心だった明慶が、だんだん苦しくなってくるんですよね。後半は揺れ動く切ない展開から目が離せなくなりピアノにも影響してくる想いが痛々しくて、ウルウルしながら読みました。要が少しずつ自分の感情の理由を知っていくと同時に遠のく距離に胸が痛みます。

ラストは2人に相応しい想いの通わせ方がまたとっても素敵で大満足。
先生の描かれるエチ、表情や絡みが美しくて大好きですが、もう2人の愛しい気持ちが溢れすぎて多幸感でいっぱいに。2人の演奏、愛情、ともに幸せなひとときがしっかりと届きました!

個人的に作中好きなドリーの庭が出てきたのも楽しくて、フォーレはop.84が長女のコンクール課題曲だった事があって、死ぬほど聴いた大好きな作曲家さん。
読後、胸いっぱいの余韻でウズウズが止まないので子供にお願いしてショパンを聴かせてもらいました。はーピアノにラブにどちらも全力で楽しめて大満足!先生ありがとうございました!
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