あいまいなウルフ【電子限定描き下ろし付き】
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あいまいなウルフ【電子限定描き下ろし付き】

末広マチ

寄り添う二人が素敵な物語。

ネタバレ
2021年11月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『ヤキモチはきつね色』のスピンオフです。前作が7日まで半額セールなので、まだ未読の方はぜひともお見逃しなく!ケモ耳としっぽのモフモフ秋葉ちゃんと、ゆくり君の恋に癒されて下さいませ~。そして、こちらのスピンにも二人が登場するので、お楽しみ~。

『ヤキモチ…』で秋葉ちゃんに手を出そうとした隼人の印象が残っていたけれど、そういう事を消し去る事が出来るくらい今回は良かったぁぁぁ。動物憑きの本能や、寂しさがそうさせたのかもと思うと、暴走しちゃったかな。
今作の隼人は、印象がガラリと違ってとっても、とっても可愛いんです。狼憑きの体質である事を誰にも言えず、不安な気持ちや寂しがりな面が見えます。だけど、隣室に住む銀木にだけは、だんだんと心を開き、子犬がじゃれつくように懐いていく隼人が可愛いくて、可愛いくてしようがない。一人で抱える悩みを知ってもらえた安心感とか、信頼感がよくわかります。自分の素をさらけ出せる相手がいる事は、何よりも嬉しいですよね。最初に感じた怖い印象が、いつしか一番居心地のいい人になるんですもの。少しでも一緒に居たい気持ちが、恋心と気づく瞬間が好きだなぁ。隼人がほんとに可愛い。
そして、銀木の方は…彼もまた隼人の最初の印象は決して良くはなかったけど…(このマイナスな印象から恋に変化していくお話は大好物だ)
ちょっと考えてる事が掴みにくい銀木。過去の傷は、簡単には他人に心を開きにくいと思います。ただ隼人の正体や心の内を知って、明るく振る舞う隼人を憎からず思えてしまうのは、すごーく自然な事で素敵だなぁ。
そして…好きなのに二人の思いのすれ違いを、飼い猫けだまが開かないドアを見つめる後ろ姿で、余計に切なく感じさせます。うぅ…上手い…
動いた銀木。甘さをのぞかせた銀木の想いに、フニャフニャになりそうです。
書き下ろしの初エチもいい!満月とは無関係の満たされた特別な交わりは、ひたすら幸せでしかないですよね。隼人も銀木も孤独じゃない幸せを噛み締めていそうです。それが表紙絵にも表れていて、好き。あの幸せな笑顔の隼人と愛おしそうに抱き締める銀木の姿がたまりません。
素敵な素敵な恋物語を、ぜひ堪能して下さい。
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