マッチ売り
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マッチ売り

草間さかえ

絵がノスタルジックな雰囲気に合っていて◎

ネタバレ
2021年11月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 少し前にシーモア島で「読まず嫌いをしていたけれど良かった作品」について質問した際に、こちらの作品を勧めて頂いたので読んでみました。この作品は「やぎさん郵便」へと続く前日譚とのことで、確かにこれからというところで終わっています。折を見て「やぎさん郵便」も購入したいと思います。
さて本作品は「マッチ売り」前後編と「やぎさん郵便」1〜8話で合計205ページ。終戦後の東京を舞台に繰り広げられる4人の恋模様を描いた作品です。ウリもしている作家の花城に急激に惹かれた学生の廣瀬。その廣瀬に想いを寄せる同級生の有原。花城に想いを寄せつつ腹いせのような感じで有原を抱く花城の同僚・澤。4人の想いが絡み合って不思議な四角関係になっています。これだけ見るとドロドロした印象なんですが、思ったよりお互いの関係はカラッとしてました。多分、男色趣味が結構一般的に受け入れられている時代だったからなのかな。背徳感とかがないので、複雑な四角関係の割に滅入ることなく読めました。確かにレトロな感じはするんですが、初出2005年と15年以上も前の作品なのに古さは感じなかったです。作者さんの絵のタッチが時代背景含め物語の雰囲気にぴったり合っていてとても惹き込まれました。続きの「やぎさん郵便」も読むのが楽しみです。
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