愛の間に間に
」のレビュー

愛の間に間に

菅辺吾郎

タイトルの意味を知ったとき、

ネタバレ
2021年12月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品のストーリーにグッと惹かれて、物語の魅力に気付きました。正直初め読んだ後、ん?と、腑に落ちない部分があったんですが、読み終わってタイトルの意味を知り、あ〜なるほどな〜と色んな部分に納得しました。このタイトルによって、物語通しての登場人物たちの言動の真意や、その背景にある心情を、より想像しやすくなったように感じました。物語を思い返したときに、自分なりの解釈が深まった気がします。とても好きなタイトルです。
登場人物たち3人全員が色んな形で絡み合っていて、それぞれの関係性が同時に進んでる中で、みんなに共通して言える事は、流されているという事なのかなあと。相手の出方とか言動を基準に自分の気持ちや出方も自然と判断していて…でもそれって当然の事なんだろうなあ。関わりを持ってしまったら、その中で影響し合う事は避けられないですしね。3人のこういう繫りを「愛の間に間に」という言葉で表現しているところがすごい好きです。自分個人の解釈に過ぎないけれど、色々と想像かき立てられます。「ま」を漢字の「間」と表記している部分も作者さんの拘りを感じますよね〜。ダブルミーニングになっている。
「まにまに」の意味の一つに「ありのままに」という意味もあるそうで、改めて素敵な言葉だなあと思いました。愛の間に間に……愛のままに…という事でもあるのかな。結局3人とも、自分の正直な気持ちを持ち続けていたから、最後それぞれの幸せを見つけらたのかもしれないですね。
3人の中では、奥さんの言動や気持ちが一番わかりやすかったです笑。欲に非常に忠実で笑。じゅっしーは本当に独特な感性を持っているキャラで笑。奥さんの浮気相手の1人だと気づいておきながら、ハルくんのあの含み笑いに一瞬で説得させられてしまうとは…笑。僕的には、ハルくんに一番感情移入しやすかったかなあと思います。
タイトルの意味が象徴する物語の深みにどっぷりハマってしまった作品でした。素敵な言葉を学びました。
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