寄越す犬、めくる夜
」のレビュー

寄越す犬、めくる夜

のばらあいこ

永遠不滅…エターナル/トライアングル

ネタバレ
2021年12月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 率直に…「永遠に続く三角関係だな」と思いました。
3人とも、全てを受け入れ、納得をしている姿がそこにありますが、誰の心にも「喪失」のようなものを感じました。その「喪失感」こそが、それぞれの「愛」のように思いました。とても切なく、苦しいです。
1巻から読み返し、そこかしこに痛みがあって、苦しみが押し寄せてきて、嫌悪も渦巻きます。でも、やっぱりラストが一番胸が苦しくなりました。須藤推しと言うわけでもなかったし、素晴らしい幕引きだと思います。それを踏まえた上でのこの引きずる余韻が、いい意味で気持ち悪いです。このやるせない気持ちを、この3人もずっと抱えて、消すことはできないんじゃないかなと思いました。
新谷は菊池を愛し、須藤への愛も持ち続ける。彼が伝える「忘れないよ」は、そういうことだと思う。須藤は、新谷を愛したことを寄る辺に生きていく。新谷の願いを反芻する須藤も新谷の愛を感じている、と思う。その2人の心の繋がりを感じ取って、受け入れて、「それでもいい」と新谷を愛する菊池の手の震えは、寒さじゃないよね…と思う。「菊池、大丈夫だよ。新谷は手の震えの意味に気付いてくれているからね」と言ってあげたい。
それぞれに埋められない心の寂しさを感じるけれど、どうか、みんな幸せに…と心の底からそう願えるラストでした。その願いを込めて、"エターナル”と”トライアングル”を断ち切りました。
のばら先生、描き切ってくださりありがとうございます。完結、おめでとうございます。これからも応援しています。
(1/8まで無料&セールです)
フォロー様情報によると、1/1発売の『on BLUE』に番外編掲載とのこと。楽しみです。
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