午前2時まで君のもの
」のレビュー

午前2時まで君のもの

奥田枠

それぞれの友人だったとして…

ネタバレ
2022年1月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私は、3人に何が言えるだろう…と考えました。もし、話してくれるのであれば、”聞く”しかできず、ただ「心のままに」と言い添えるしかできないかな…と思いました。
灯さんね、結婚を軽く考えすぎだなぁって思うけど、結婚は勢いと言いますし、それこそ先のことなんて分からないじゃないですか。ミチと恭一の気持ちも知らないし(知ってたら、怒マークが付きました💦)。ただ、思い描いていた未来よりも遥かにしんどかったんですよね。それは仕方ない。灯さんのせいじゃないし、誰のせいでもないよ、と言いたいです。
ミチは…、その心もとなさは想像すら及びません。明日には記憶がリセットされるって、恐怖でしかないです。縋るように日記を綴っていたのに、書けなくなった気持ちは何となく分かる気がします。そして、また書く決心をして、未来を見据えようとしたけれど…。毎日毎日、同じ日を懸命に生きて、戸惑うばかりの中で、人を思いやって、傷つけたと苦しんで、見ているのが本当に辛かったです。そんな中で、唯一確かなこと。 ”恭一に恋をしていた気持ち” これを誰に咎めることができるだろう、と私は思いました。「ミチ、良かったね。大好きな恭一と恋人になれて」としか言えないです。
恭一もしんどかったね…。突然、ミチをさらわれて。あの時、恭一が忙しくなかったら、メールの返信をしていたら、ミチの寂しさが募らなかったら…。そんな後悔を抱える中で、ミチの気持ちを知ってしまったら…。この状況で倫理を語るなど私にはできないし、ミチのスマホを書き換えたことは、幸せの序章だと言い切りたいです。「応援してるよ」って伝えたいです。
私は、そういうスタンスで読み終えました。目が覚めたら好きな人が目の前にいる幸せと驚きを、毎日噛みしめてほしいな、と。
ただ、お父さんの気持ちだけは計り知れなくて…。きっとミチの笑顔があればそれがお父さんの安らぎなんだろうなって思うけど、何となく切なさが残って…。それも含めて良いお話だったなと思います。
フォロー様の「目が覚めたら経済雑誌と啓発本」がとても分かりやすく、すごいなぁと思いました。ありがとうございます。
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